メールを送信したが相手に届いていない、でもエラーメールも返ってこないケースについて、前号の内容をもう少し詳しく説明します。
システム管理者の方は通常、@より前の文字列が存在しない場合におけるメールサーバーの動作設定をしています(ただし、Google WorkspaceやMicrosoft 365等のメールサービスは、各サービス運営会社のポリシーに則るため、個別の設定はできないことが多いです)。一般的には次の3種類から動作を選択できます。
1:宛先不明として送信元に返す、2:Postmasterと呼ばれる管理者アカウントに転送する、3:サーバー上で(シームレスに)削除する。
1の場合は、@より前が存在しない旨が送信元にエラーメールで返ります。「あ、退職したのかな」、「スペルミスかな」などと気付き、他の手段で連絡を取る必要があるとわかります。
2の場合はメールサーバーの管理者宛てに届きますが、前号の通りメールアドレスが存在するかどうか調べるために膨大な量のメールが届くため、チェックが漏れる可能性があります。なお、管理者アカウントに届いていますので、当然エラーメールは返りません。
3の場合はサーバー上で何の警告もなく削除されてしまいます。この場合もエラーメールは返りません。
受け手のサーバーが2または3を選択している場合はエラーメールは返らないため、届いていると錯覚してしまいます。システム管理者の方は、例えば退職した人のメールアカウントは削除せず、他の方へ転送する等の設定をすることが望ましいとわかります。