自社ドメインをお持ちの方の多くが、ホスティング(レンタルサーバー)サービスを利用されていると思います。この種のサービスは、メールアカウント数や、サーバーのストレージ容量ごとにプランが分かれています。
ここ数週間でそのストレージ容量が枯渇し、Webサイトが表示されない、一部が消失、メールが届かない、といった問合せが増えています。
サーバーには「誰が、いつ、どのページを見たか」を記録するアクセスログがあります。1回のアクセスで、表示される全ファイルの一覧履歴が記録され、ログは数行から十数行に渡ります。しかし、たった数時間でもボット攻撃を受けるとアクセス数は数万~数十万、記録されるアクセスログは数百万行となり、あっという間にストレージ容量が枯渇します。
その結果、アクセスログが書き込めずにWebサイトが表示されなくなり、データベースを編集していた場合は保存できずにデータが消失。一定期間が経過したログは圧縮、やがて削除されますが、数時間では為す術がありません。
また、増え続ける迷惑メールは、実在する他人のメールアドレスを登録して大量にメールを送信し、受取りを拒否されたメールが差出人アドレスに配送不能として返信されます。すると、メールボックスに1時間で数千通、1日で数ギガバイトなどとなってメールサーバーのストレージが枯渇。全てのメールが受信できなくなります。
サーバーの中には、自身が設置していないファイルの方が多く含まれています。少なくとも月に一度はサーバーのお掃除をしましょう。詳しい方法は次号で。
著者紹介:安藤究真 Kyuma Ando
サーバー一筋23年。2000年に株式会社チロロネットを創業してレンタルサーバーサービスの提供を開始。2015年にチロロネットベトナムを設立。2018年からはベトナムでもサーバー・クラウドサービスを提供している。
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