―― 今年は、4月18日がベトナムの祝日である「フン王の命日」と聞きましたが、名称から意味がわかるテト(旧正月)、メーデー等と異なり、フン王の命日はその意味を推測できません。どのような意味を持つ祝日なのでしょうか。
チー 「フン王の命日」は毎年旧暦3月10日で、ベトナムならではの祝日です。「フン王」はベトナム歴史上の最初の国家であったバンラン(Van Lang)国の王の総称です。伝説によれば、フン王は18代に渡って存続したそうです。
「フン王の命日」が旧暦3月10日になる理由は不明ですが、フン王がベトナムを建国したことに思いを馳せ、国民の愛国心を引き出させる意味を持っています。
フン王を偲ぶ信仰はベトナム人にとって大切なもので、2012年12月6日にユネスコの無形文化遺産に認定されました。
―― 「フン王の命日」に労働者は休暇を取れるのでしょうか。
チー はい。労働者が有給で休暇を付与される祝日として、労働法上明記されています。
―― 「フン王の命日」には、何かお祝いのイベント等があるのでしょうか。
チー 首相の国旗掲揚に関する決定では、「フン王の命日」に家の前にベトナムの国旗を揚げる旨が定められており、テト等と同様に「フン王の命日」にも多くの家庭が家の前にベトナムの国旗を一斉に揚げます。
また、「フン王の命日」にバンラン国の首都であったフート省でフン王祭が毎年開催されます。フン王祭には毎年数百万人が訪れ、フン王へ線香を手向けるといった儀式が行われます。