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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.68
今年は4月18日(木)の祝日
ベトナムのフン王の命日に関する規則

長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィス Duong Thi Huynh Chi

―― 今年は、4月18日がベトナムの祝日である「フン王の命日」と聞きましたが、名称から意味がわかるテト(旧正月)、メーデー等と異なり、フン王の命日はその意味を推測できません。どのような意味を持つ祝日なのでしょうか。

チー 「フン王の命日」は毎年旧暦3月10日で、ベトナムならではの祝日です。「フン王」はベトナム歴史上の最初の国家であったバンラン(Van Lang)国の王の総称です。伝説によれば、フン王は18代に渡って存続したそうです。

 「フン王の命日」が旧暦3月10日になる理由は不明ですが、フン王がベトナムを建国したことに思いを馳せ、国民の愛国心を引き出させる意味を持っています。

 フン王を偲ぶ信仰はベトナム人にとって大切なもので、2012年12月6日にユネスコの無形文化遺産に認定されました。

―― 「フン王の命日」に労働者は休暇を取れるのでしょうか。

チー はい。労働者が有給で休暇を付与される祝日として、労働法上明記されています。

―― 「フン王の命日」には、何かお祝いのイベント等があるのでしょうか。

チー 首相の国旗掲揚に関する決定では、「フン王の命日」に家の前にベトナムの国旗を揚げる旨が定められており、テト等と同様に「フン王の命日」にも多くの家庭が家の前にベトナムの国旗を一斉に揚げます。

 また、「フン王の命日」にバンラン国の首都であったフート省でフン王祭が毎年開催されます。フン王祭には毎年数百万人が訪れ、フン王へ線香を手向けるといった儀式が行われます。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスに勤務するベトナム弁護士。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在はベトナム弁護士として日系企業に法的アドバイスを提供している。