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マーケッターの 独り言 Vol.64
海外ブランドも新市場として注目
スポーツウェアが売れ続ける理由

 ベトナムのスポーツウェア市場が着実に成長している。大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の調査によると、2019年には月平均約15%と成長し、2024年には市場規模が17兆6000億VND(約7億1500万USD)に達する見通しだ。2023年の日本のスポーツウェア市場は6125億円(約41億USD)と予想されており、ベトナム市場は日本の約6分の1にもなりそうだ。

 新型コロナ以降のさらなる健康への関心の高まり、都市化、中間層の増加、可処分所得の増加がスポーツウェア市場の拡大につながっている。若い世代へインタビューすると、韓国系アイドルのSNSを見て運動を始めたという人もおり、インフルエンサーが売上促進に一役買っているようだ。一方、ヨガスタジオで観察をするとノーブランドのスポーツウェアを着ている女性が多く、まだまだ廉価なウェアが市場の中心と推測できる。

 近年では外国ブランドもベトナムでの生産のみならず販売にも注力しており、ブランド実店舗だけでなくShopeeなどの大手ECモールにオフィシャルストアを開設し、積極的に販売している。

 生活水準が向上すればファッションにこだわるようになるのは必然だ。特にベトナムの若い女性は、体にフィットした大胆なデザインのウェアを着用して、フィットネスクラブに出入りすること自体をファッションととらえている感がある。ブランドウェアであればステイタスシンボルにもなるだろう。

 日本のスポーツブランドの強みは主に機能性だが、海外女性が好むデザインにも力を入れ、ECの販売チャネルを上手く活用した若い女性向けの市場獲得を期待したい。

澤本明優心 Ayumi Sawamoto
長崎県立大学経営学部国際経営学科3年。夏休みの1ヶ月ほどインテージベトナムでインターン。「大学での学習を地域のために実践する場」として長崎県内企業の海外展開に貢献すべく、長崎海外マーケットリサーチサークルに所属。