ベトナム北部の多く発電所の発電量は限定的であり、ホアビン水力発電所は、最大限発電したとすると12~13日しかもたないとされている。
6月13日、商工省は北部の大規模水力発電所(ホアビンとライチャウ)の水量が6月11日から28%改善したと発表した。しかし、6月13日時点で北部のソンラー、ライチャウ、タイバーの水力発電所は、依然として稼働を停止している。
現在、ライチャウダムの水位は271.9mで、発電限界水位よりは6.9m高くなっている。ソンラーダムは水位が176.7mで、発電限界水位を1.7m上回っている。しかし、今後の猛暑に備えて、大規模水力発電所は発電量を制限している。6月13日に北部のトゥエンクアン、ライチャウ、ソンラー、タックバーの4つの水力発電所が発電を停止した。
ダー川の流域にあるホアビン水力発電所は、最近では北部への電力供給に加えて、電源の周波数を安定させ大規模な停電を回避するために周波数制御の役割も果たしており、下流への水も確保している。
6月13日のホアビンダムの水位は、102.8mで発電限界水位は22.8mとなっている。ホアビン水力発電所のファン・バン・ブーン所長によれば、ホアビンダムへ流入する水量が最近非常に減少しており、殆どないに等しい状況だ。
「現在の貯水量で1日あたり4600万から4700万kWhの最大発電量を継続した場合、12~13日後にはダムの貯水量は危険水域に達します。そうなれば発電ができないばかりか、電力システムの安定した稼働も維持できません」とブーン所長は話す。
年間発電計画の98億kWhのうち上半期で37%しか達成していない状況についてブーン所長は、「これほど厳しい状況は経験したことがありません」と述べている。
「ホアビン水力発電所の水位が限界まで下がったことはあるが、同時に他の北部の水力発電所まで同じように危険水位まで下がったのは見たことがありません」とブーン所長は話す。
ホアビン水力発電所の運転シフト責任者であるドー・クアン・ビン氏は、電力不足の状況で発電所の運営にはストレスがかかっており、最近の発電量の調整指示は普段の3倍に増えているの述べた。
「調整センターは、ある時にはシステムの安定を図るために全体の発電量を最大にするよう指示する一方で、発電用の水量を確保するためにある時には発電量を最小限に抑える指示を出さなければなりません」とビン氏は話す。
このような状況でホアビン水力発電所は、システムの安定化のために発電を犠牲にしなければならない。「もしシステムの周波数制御をしなければ、急速な電力低下が起き、大規模な停電が発生する可能性があります」とブーン氏は説明する。
商工省の最新の情報によれば、6月13日の午後、ラオカイ省のガム川とタオ川の上流域で50~100㎜の雨が降った。
6月16日までにライチャウ-ソンラー流域の平均水流量は400~600㎥/sになると予測されており、周辺の水力発電所のダムの水位上昇に貢献するとみられている。しかし、ライチャウ、ソンラーなどの大規模水力発電所は、今後の猛暑に対応するための水を確保するため、発電を制限している。
商工省によれば北部では今後1日あたり3090万~5080万kWhの電力が不足し、1日の殆どの時間で電力が不足する危険性がある。気象予報センターの予報によれば、水力発電所ダムへの水の流入量が非常に少ない状態が続けば、今後10日間でダムの水が枯渇する。
出典:13/06/2023 VNEXPRESS
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