ファン・ミン・チン首相は、大国間の競争のさなかにおいてASEANが中心的な役割を維持するためには、加盟国が団結し、お互いの強みを生かし、戦略的なバランスを確保する必要があると述べた。
9月5日の午後、ASEAN首脳会談で講演したファン・ミン・チン首相は、現在の国際社会において複雑かつ多元的な変動を引き起こしている主要な要因の一つは、大国同士の熾烈な戦略的競争によって、各国が厳しい選択を迫られていることにあると述べた。
その熾烈な競争の中でASEANが中心的な役割を維持するために必要なことは、自国の強みを生かし、域内の団結を強め、ASEANの戦略的価値を高めることだとチン首相は強調した。
ASEAN加盟国は、独立、自立、遵法の精神を堅持し、ASEANの基本原則と行動基準を一貫させる必要がある。チン首相はまた、国際競争の中で、ASEANは大国との戦略的バランスを維持する必要があるとも強調した。
ASEANは、各国との関係と利益のバランスをとる能力を備え、オープンで透明かつ包括的な地域構造を構築するという目標を堅持して、信頼できる架け橋の役割を果たさなければならない。最も重要なことは、ASEAN諸国が地域の安全保障と開発環境に直接関係する問題に関して、原則的な立場を維持して団結することだ。
チン首相によれば、ASEANは、加盟国の共通の利益を守り、責任を果たすために、団結を強化し、南シナ海における共通の立場を維持・強化する努力をしなければならない。
ASEANは、自制と紛争の平和的解決の原則を重視し、国際法と海洋法に関する国連条約(UNCLOS 1982)を尊重し、南シナ海における関係国の行動宣言(DOC)を継続的に完全かつ効率的に実現し、国際法とUNCLOS 1982に基づいて実践的かつ効率的な南シナ海行動規範(COC)の構築に向けて努力することを南シナ海で活動する関係各国へ求めていかなければならない。
ミャンマー情勢に関してチン首相は、最近のASEANと加盟国の努力によってミャンマー国内のあらゆる関係者から前向きなシグナルが出されていると述べた。チン首相は、当事者同士が平和的に対話し、理解を深め、信頼関係を築き、ミャンマー問題の全面的かつ持続可能な解決策を早期に達成するために、ASEANのより積極的な関与を支持すると述べた。
チン首相は、ASEAN首脳による5項目の合意に基づいて、ASEANがミャンマー問題解決に向けて主導的な役割を果たすためにインドネシア大統領とミャンマー問題の特使を支持すると述べた。
チン首相はまた、ベトナムは2024年のASEAN議長国であるラオスと緊密に連携して、ASEANの協力目標を推進し続けると述べた。
ASEAN首脳会談で各国首脳は、ASEANが今後も課題を克服し、国際的な戦略的摩擦や地政学的な競争に直面しても毅然とした態度で臨むためには、ASEANの団結が重要だと強調した。
これは、地域構造におけるASEANの中心的役割を示しており、この地域における、平和、安定、発展に向けた対話と協力の取り組みを先導し、主導する上でASEANの役割を強化するための土台となる。
ASEAN首脳会議と関連会議は、この地域で最大規模の年次ハイレベル会議であり、東南アジア諸国の首脳をはじめ、関係各国の首脳や国際機関が多数参加している。ASEAN首脳会議に参加するパートナー国には、中国、韓国、日本、アメリカ、インド、オーストラリア、ロシア、カナダなどが含まれている。
出典:05/09/2023 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作