VATの2%減税措置を2024年上半期までとしたのでは、消費刺激効果が薄いとして、多くの議員が2024年末までの適用を提案した。
これは、11月20日の午後にVATの2%減税措置を2024年6月まで延長する案を議論している際に多くの国会議員から提案された内容だ。
Halcom Vietnam社の取締役会長を務めるグエン・クアン・フアン議員によれば、付加価値税(VAT)の減税は、価格低下と消費刺激につながる。「この政策は長期に適用してこそ効果が高くなるので、政府案の6月末までではなく2024年末まで適用されるべきです」とフアン議員は述べた。
カマウ省ビジネス協会の副会長であるグエン・ズイ・タイン議員も同様の意見で、より高い効果を期待するためにVATの8%への引き下げを2024年末まで適用すべきだと主張した。さらにタイン議員は、減税対象を分けることは市場の不平等につながる可能性があるとして、全ての商品とサービスを減税対象にすべきだと主張した。
この点についてダクノン省代表団副団長のズーン・カック・マイ議員は、社会経済状況が変化しており、以前は減税対象とならなかった不動産、証券などの分野も現在では困難な状況に陥っていると説明した。そのため、マイ氏は、政府は実際の状況を再度評価しなおし、より適切な政策を検討すべきだと指摘する。
2024年上半期にVATの減税措置を適用する件については、財務予算審議会で検討された際にも6か月間の適用では目標達成は難しいとの指摘が出ていた。そのため、審議会は、政府に対してVAT減税を2024年末まで適用し、政策の質を向上させ法的な根拠を確定させるべきだと提案した。
VAT減税政策は、国民を支援し、消費を刺激するために新型コロナの感染拡大時期に導入されたが、国の税収減にもつながった。政府によれば、2024年上半期に2%のVAT減税政策を導入した場合、GDP成長率が6~6.5%だとすると税収が25兆VND減少すると予測されている。そのため、フアン議員は、長期的には減税政策がGDPの成長にどれだけ貢献するかなどその影響を徹底的かつ総合的に評価する必要があるとも指摘している。
「減税策は社会経済発展に影響を与えるため、永久に続けることはできません」とフアン議員は述べている。
ハイズン省代表団副団長のグエン・ティ・ガー議員は、前回のコロナ下でのVAT2%減税政策が、労働者の雇用創出に寄与したという明確な根拠は確認されていないと指摘する。一方で、政府も過去の減税政策によって商品とサービスの消費が回復に向かったという説得力のあるデータを提示できていない。
ガー議員は政府に対し、減税政策がマクロ経済の安定、経済成長の回復促進、地方の財政への影響などに与える影響を明確にするべきだと提案した。
この議論の終わりごろに説明に立った財務省のホー・ドゥック・フォック大臣は、税収への圧力を軽減するためVATの2%減税は、2024年上半期までの適用とすべきだと説明した。
「VATの減税は短期的な解決策の一つにすぎず、企業が困難な状況を乗り越える環境を作り出すためには、6か月か1年かのVAT減税だけでなく、その他の減税策や景気刺激対策も講じなければ、経済成長目標の達成は難しいでしょう」とフォック大臣は述べた。
フォック大臣は、2024年上半期に2%のVAT減税を実施すれば政府の税収が25兆VND減少するだけでなく、一部の地方自治体にも影響が出るとの見方を示す。例えばハノイは約3兆4700億VND、ホーチミン市は約4兆VND、ビンズン省が1兆1150億VNDの減収になる見込みで、他の地方自治体でも3500億~6000億VNDの減収となる可能性がある。
「先日国会で可決された予算決議案では、2024年上半期のみVATを2%減税する方針で試算されているが、もし、2024年下半期もVAT減税措置を継続した場合、国の税収は約50兆VND減少することになります」とフォック大臣は説明する。
現在の予定では、11月29日に国会でVAT2%減税措置の決議がおこなわれる見込みだ。
出典:20/11/2023 VNEXPRESS
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