ホーチミン市消防警察署長によれば、消防基準が頻繁に変更、追加されているため管轄機関はもとより、施設所有者なども混乱をきたし、対応が難しくなっている。
これは、12月7日の午後に開かれた高層ビル、工業団地の消防に関する会議で、ホーチミン市消防警察署のフイン・クアン・タム署長が述べた内容だ。
タム署長は、2020年に発行された住宅及び建造物の消防に関する規則06号を引用し、既に3回の修正と追加が実施されただけでなく、近い将来に4回目の追加が実施される見込みだと述べた。これにより各専門機関、施設管理者、設計コンサルタントなど関係者が規則に追いつくことが難しくなっている。
「さらに、以前は一部の地域では消防に関する国家管理が徹底されておらず、施設管理者に対して最初から消防対策を厳しく指導してこなかったため、長年にわたり消防規定違反が存続してきた」とタム署長は述べた。
同じく公安省消防警察局のグエン・ミン・クーン副局長も現時点で、一部の消防に関する法令や技術基準は現実に即しておらず、適用に際して混乱が生じていると指摘した。また、現行の一部規定の中にも住宅と建造物の消防に関する規則06号と矛盾するものが存在している。
ベトナム消防・救助協会(CNCH)科学技術部のレー・ディン・トゥエン副部長は、最近、多くの企業や業界団体から消防基準の問題点について多くの意見が寄せられていると述べた。例えば消防規則06号が発行されているにもかかわらず、現在の状況には即さない1995年に発行されたVN2622基準が依然として効力を残しており、混乱を生じさせている。
トゥエン副部長によれば、消防警察部隊は消防と関連システムの設計を直接評価、承認すべきである。しかし、これらのシステムは他の省庁の規定に依存している。例えば、現在建設省が消防に関する規定を発行しているが、実際の現場の監査は消防警察が担当しており、法令の規定と現場の状況に歪みが生じている。
「これにより手続きの重複が生じ、企業や市民に混乱が生じているのです」とトゥエン副部長は指摘する。
公安省の消防警察局の統計によれば、全国で使用中の施設のうち3万8000軒以上が依然として消防規定に違反した状態だ。その理由は、消防規定が頻繁に変更される問題に加えて、建設プロジェクト投資において、投資家が利益を優先して法律の規定を十分に遵守していなかったり、消防規定を満たしていない施設に対する地方自治体の管理不足などが挙げられる。
グエン・ミン・クーン副局長は、今後、公安省消防局は、既存施設の問題を解決し、不備を解消するため、消防法の規定を継続的に修正、追加していく予定だと話す。「2025年には我が国の消防法の規定が先進国の基準になる見込みです」とクーン副局長は述べた。
10月末、ファン・ミン・チン首相は、建設省と公安省に対して集合住宅や高層マンションの住宅許可、管理、使用方法と併せて消防基準を早急に策定するよう指示した。この指示は12月中に完了して首相に報告される予定となっている。
出典:08/12/2023 VNEXPRESS提供
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