ファン・ミン・チン首相は、ダボス会議での講演で、今後5~10年でASEANが統合され、世界の経済成長の起爆剤になるとの見通しを語った。
1月17日の午後、スイスで開催された世界経済フォーラム(WEF)ダボス会議2024の中で実施された「ASEANからの教訓」と題したディスカッションで講演したファン・ミン・チン首相は、ASEANの経済成長がもたらす重要な要素について言及した。
チン首相によれば、ASEANは多様性のある団結した統一ブロックであり、自立した精神のもとで包括的な発展を促進する能力がある。「ASEAN加盟各国は、ASEANの発展に貢献するとともにそれぞれの潜在能力を活かし、市場の競争原理と需給規律の中で、競争力を高めています」とチン首相は述べた。
チン首相は、5~10年後にはASEANが団結した統一ブロックとなり、全ての国の経済を発展させ誰一人置き去りにしない世界経済の成長の中心になると評価した。
サプライチェーンの変化という必然の前で新たなチャンスに直面し、”Win-Winという考え方で各国の選択を尊重し、誠実さ、団結、利益バランスに基づいた信頼関係を構築すること”が地域を安定的に発展させる方法だとチン首相は述べた。
このディスカッションの講演者は口々に、加盟国が協力し域内の経済交流を促進させたことでASEANが地域経済統合の典型的なモデルになれたと言及した。
ASEANはまた、自由貿易協定(FTA)や地域的な包括的経済連携(RCEP)のネットワークを通じて積極的に世界経済に参入している。
WTOのンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は、ASEANには友好的な投資環境があり、投資家とパートナー双方に利益をもたらせる地域だと評価した。再グローバル化のプロセスの一環として、サプライチェーンは、ASEAN諸国に分散化している。
「ベトナムはダイナミックな発展とサクセスストーリーを有する投資対象国の1つです。このことは、一国や一部の地域に留まらず全世界にメリットをもたらすでしょう」とオコンジョ=イウェアラ事務局長は述べた。
タイのセター・タウィシン首相は、ファン・ミン・チン首相からラオス、カンボジア、タイ、ベトナムの4か国が協力して観光開発をおこなうことを提案されたと述べた。
セター首相は、低い人件費がASEANの競争力の初期の要因であったが、これが今後はASEAN諸国の足枷になる可能性があると指摘した。そのため、セター首相は、ASEAN諸国に対して最低賃金引き上げや、外国投資誘致への競争力強化に向けて協力することを呼び掛けた。
出典:01/18/2024 VNEXPRESS提供
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