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【社会】若年妊娠した子を持つ親の気持ち

(C) VNEXPRESS

ハノイの有名大学1年生の娘から妊娠したと告げられたミン・アインさん(45歳)は、3日間泣き続け、食事も喉を通らなかった。

ミン・アインさん夫妻はハノイ市のミードゥックに住んでおり、見た目もよく優秀な二人の息子と娘のことを自慢に思っていた。ミン・アインさんは、数年後に子供たちが大学を卒業すれば、これまでの苦労が報われると信じていた。

しかし、昨年の夏休みに娘のトゥー・チュックさんは、母親に同級生の子供を妊娠して4ヶ月になると告げた。「ショックで心臓が止まりそうになりました」とアインさんは話す。アインさんは、娘の頭を押さえつけて、「いっそのこと私を殺して」と叫んだ。アインさんは、食事も喉を通らなくなり、泣き続け、相手の男性の家族との話し合いも拒否した。

ミン・アインさん夫婦にとって娘の結婚を知らせることは心理的な苦痛を伴った。「私はとても怖くて恥ずかしく、招待状を渡す勇気がありませんでした」とミン・アインさんは話す。

ナムディン省に住むグエン・ティ・アンさん(47歳)も大学3年生の娘が妊娠していることを知って、針の筵に座らされた気分だった。「何処でも好きなところに行けばいいけど、ここに戻ってきて私の顔に泥を塗るのは止めて!」とアンさんは電話で娘に怒鳴った。

娘が既に彼氏と別れたと告げた時に、アンさんは更なるショックを受けた。娘は、元カレに妊娠したことを告げたが、二人とも元の鞘に収まるつもりはなかった。「中絶するつもりで病院に行ったけど、怖くなって帰ってきた」と娘はアンさんに泣きながら告げた。

当時、アンさんの家族には、喪に服しているかのような暗い雰囲気が漂っていた。近所の人が望まない妊娠をした女性の噂話をしているのを聞いて、アンさんは自分たちの家のことがバレたのではないかとパニックに陥った。アンさんは外出するのが怖くなり、目が覚めても顔を洗う気にさえならなかった。

妊娠に繋がる10代の性行為は、現在、ベトナムで深刻な社会問題となっている。2021年にユニセフがベトナムで未成年を対象に実施した調査によれば、15歳未満で性行為を経験した男性は0.2%だったが、女性では0.9%だった。また、10歳以上年上の異性と性行為をしたと回答した未成年の割合は8.9%に達した。

パブリック・サービス・インターナショナル(PSI)による別の調査でも、15歳から24歳までの未婚の女性の10%以上が少なくとも1度は望まない形で妊娠したことがあると推定されている。

青少年スキル開発センターの教育専門家であるグエン・レ・トゥイ氏は、未成年の妊娠の主な原因は、子供達への性教育が十分ではないためだと指摘する。

若すぎるときに母親になると、身体的にも精神的にも母親として子供を育てていくための能力と経験が不足しているために、鬱状態に陥りやすくなる。また、友達が学校に行っているのに自分は子供のために学校を辞めなければならなくなると、罪悪感を感じ、自尊心が低くなる。もし、その後、復学できたとしても、友達よりもはるかに遅れており、数々の困難に遭遇することになる。

元保険省人口総局教育部の副部長を務めたマイ・スアン・フーン博士は、子供が望まない結婚をした場合、両親は、まず自分たちが子供達に性に対する正しい知識を教えてこなかったことが原因だと理解しなければならないと話す。

フーン博士によれば、自分の子供が妊娠していることが分かると多くの親がミン・アインさんやアンさんのように、子供を怒鳴ったり、叩いたり、罵倒し、中には子供を家から追い出してしまうこともある。また、学校や教師の教育が不十分だったとして、クレームする親もいる。

数十年にわたって性教育の分野で活動してきたマイ・スアン・フーン博士は、子供が意図せずに妊娠してしまい、両親がそれに対して適切に対処する術を知らなかったために起きた多くの悲劇を目撃してきた。子供の妊娠を知った親は子供にプレッシャーをかけたり、しかりつけたりして、子供達を落ち込ませ、中には無認可の施設で隠れて中絶手術をさせたために母体に深刻な影響が出たケースも存在する。

2023年のベトナム-フランス産婦人科会議の報告書によれば、未成年の中絶率は10年前の0.4%から1%に増加しており、中には12歳で妊娠し、胎児が大きくなっているにもかかわらず中絶したケースも存在する。

子供の権利保護協会に勤める心理学者のホン・フーン氏は、心理学的な観点から、このような状況下に置かれた親の気持ちを理解を示す。「このようなケースでは誰もがショックを受け、制御不能な反応を示すでしょう」とフーン氏は話す。このような状況に直面した際には、子供と周囲の人々は親の気持ちを理解し、落ち着く時間を与える必要がある。

両親のショックを和らげるために、子供たちは望まない妊娠について親に知らせるための5つのステップを理解しておく必要があるとフーン氏は話す。まず、最初に親に謝罪して、これから何か良くない知らせがあることを親が察知して心の準備が出来るようにする。次に事実を告げて親のアドバイスを求める。両親の反応に耳を傾け、もし親から否定的なことを言われても反論せずに両親が落ち着く時間を与えてから、再び本題を話し合う。そして最後に話し合いによって結論を導き出す。

ホン・フーン氏によれば、想定外の妊娠であっても子供と相手が結婚したいと考えており、法的な結婚年齢に達しているのであれば親は結婚を認めるべきだ。さらに出産後には、子供が徐々に大人としての役割を果たせるようになるために、親が子供に寄り添い、経済的支援や育児のサポートをする方が良い。

激しいショックを受けてから2週間後、ミン・アインさんは落ち着きを取り戻し、妊娠4ヶ月でありながら誰の支援も受けられず不安の中で暮らしている娘を不憫に思った。ショックから立ち直った後、ミン・アインさんは子供を連れて学校に出向き、休学を願い出た。その後、相手の男性が結婚できる年齢に達していなかったため、両家だけで、簡素な結婚式を挙げることにした。

両家の家族が座って話をしているときに、ミン・アインさんは、娘の妊娠を知って苦しんでいたのは自分たち夫婦だけではなく、相手の両親もショックを受け嘆いていたことを知った。「去年、息子が私に弟か妹が欲しいとねだってきました。もう年だから子供の面倒なんか見れないよと返事をしたら、今年は息子が子供を作ってきたんです」と相手側の母親はミン・アインさんに打ち明けた。

子供が妊娠しても結婚を望まない場合でも状況に応じて出産するか中絶するかを判断するために、両親は子供と共に歩み、励ます必要があると専門家はアドバイスする。

アンさんは、当初怒りの感情が強く、子供の将来のためにも中絶するよう促した。しかし、子供を連れて病院に行くと、医師から胎児が成長しすぎているので、中絶は非常にリスクが高いと警告された。「これはあまりに罪深いと思いました」とアンさんは話す。

アンさんは街に出て子供の面倒を見るためのアパートを借り、娘に学業を続けるようにアドバイスした。アンさんは当初、生まれてくる孫を自分の子供として登録し、娘は普段通りに学校に通わせようと考えた。しかし、身内と話し合った結果、最終的にアンさんは娘を連れて田舎に戻り一緒に孫を育てることにした。娘は既にシングルマザーとして生きていく覚悟を決めており、アンさんも恥ずかしさを捨てて娘のために生きていくことを決意した。アンさんは、娘が働きに行けるようになるまで、孫の世話をすることに決めた。

孫が生まれたミン・アインさんも甘いおばあちゃんとしての生活が始まった。

若いおばあちゃんとなったミン・アインさんは、孫のためにミルクを作ったり、おむつを替えたり、離乳食を準備するため夜遅くまで起きている。ミン・アインさんは、孫を連れて遊びに行ったり病院に行くたびに泣いたり笑ったりしており、行く先々で人々から母親だと勘違いされている。

出典:2024/05/03 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載