国内の購買力が鈍化する中で、HSBCは、短期的にはベトナム国内のインフレを注視する必要があると指摘している。
これは、HSBCが先日発表した5月のベトナム経済報告書の中で指摘している内容だ。統計総局のデータによれば、消費者物価指数(CPI)は2023年の同時期と比べて4.44%上昇している。HSBCは、インフレ率がベトナム国家銀行が設定したインフレ率の上限である4.5%付近に留まっていることに注目している。
先月は、主要消費品目11グループのうち10グループが値上がりした。最も急速に上昇したのは教育費、医療費、建設費、食費のグループだ。より詳細に分析すると、より多様な状況が見えてくる。
具体的には、5月に米価格が前月から下落した一方で、豚肉の価格は値上がりし、食品全体の価格を押し上げた。また、石油価格は下落したものの、電気料金は値上がりしている。「これらの数字は、食品やエネルギー分野における多重的な状況を示しており、短期的には、より厳格な監視が必要だ」と報告書は述べている。
2024年5月までにCPIは4.03%上昇したが、これは主に教育費、医療費、住宅費、娯楽費の上昇の影響によるものだ。
インフレ圧力は、原材料価格の上昇からも影響を受けている。HSBCによれば、ベトナムは経済開放度が高いために、世界的な商品相場の影響を受けやすい。先週、S&P Globalが公表した購買担当者景気指数(PMI)でも、5月に入って企業が2月以来となる値上げを実施していることが明らかとなった。
値上げの原因は、急激な原材料費の値上がりに加えて、VNDがUSDに対して急激に下がっており、さらに輸送費や燃料費が値上がりしていることにある。「輸入品の価格上昇の主な原因はベトナムドン安にあります」とHSBCのASEAN市場担当エコノミストのユン・リウ氏は語る。
HSBCは、ベトナムの景気回復はまだ初期段階にあり、金融政策における巧みなバランスが必要とされており、国家銀行は政策金利を安定的に維持すると予測している。
出典:2024/06/13 VNEXPRESS提供
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