ベトナムの2024年1月から9月までの米の輸入量は10億USD近くに達し、既に前年の年間輸入量を上回っている。
農業・農村開発省のデータによれば、ベトナムは2024年1月から9月までに700万トン以上の米を輸出しており、輸出額は43.7億USDに達している。これは、2023年と比較してトン数で9.2%、金額で23.5%の増加となる。
一方で、ベトナムの米の輸入量も急増している。2024年9月の米の輸入額は1億1700万USDとなり、前年同期比で154%以上も増加した。1月から9月までの米の輸入額も9億9600万USDとなり、前年同期比で57.3%も増加し、2023年の8億6000万USDを既に超えている。
ベトナム企業が米の輸入を増加させている原因は、米の作付け傾向の変化にある。農家は、輸出用の高品質で香りの高い米の生産にシフトしているが、国内のブンやフォーなど米粉を原料とする麺は、原材料として安価な米を求めている。そのため、企業は原価を下げるために安価な輸入米を選択するようになっている。また、一部の米輸出企業も年末の注文に対応するために近隣諸国から多くの米を輸入している。
アンザン省の実業家であるグエン・バン・タイン氏は、価格が安いのでカンボジアからの米の輸入を増やしたと話す。タイン氏の会社では、輸入したコメを一般市場向けに販売しているほか、家畜の飼料製造企業にも販売している。タイン氏の会社の米の輸入量は昨年から30%増加している。
各業者によれば、今年の夏秋米の収穫量が少なく、年間で最も収穫量が少ない秋冬米では不足分を補えない。北部では30万ヘクタールで不作が発生しており、各業者はテト需要に向けて輸入を増やさざるを得なくなっている。そのため、一部の業者は今年のベトナムの米の輸入総額は13億USDに達する可能性があると予測している。
農業・農村開発省は、米の輸入急増は食糧安全保障に影響を与えるものではないと明言している。ベトナムは、毎年数百万トンの米を輸出しており、輸入されている安価な米は、最大100万トン程度で市場の多様なニーズを満たしているだけだとしている。
現在、ベトナムは、ミャンマー、パキスタン、カンボジアから国産米より安い米を輸入している。2024年のベトナムの米の平均輸出価格は1トンあたり634USDで、2023年から13.1%上昇している。一方で、ベトナムが輸入している米の平均価格は1トンあたり480~500USDとなっている。
出典:2024/10/02 VNEXPRESS提供
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