2025年6月5日、ラムドン省ラックズーン郡にて、ベトナム製薬大手のタイミン製薬グループと、韓国系企業VGCによる戦略的提携が締結された。今回の提携の目的は、ベトナム産高麗人参を工業規模で生産・開発することにある。
韓国の高麗人参専門家とベトナム製薬企業が連携
この提携は、韓国の高麗人参専門家の運営する企業と、ベトナムの製薬企業がタッグを組むという異例の組み合わせであり、ベトナムでも高麗人参が自生していないラムドン省を拠点とする点からも、注目されている。
今後は、この10年以上にわたり、ベトナムと韓国の科学者たちが密かに研究開発してきた栽培技術をもとに、最適な手法での高麗人参栽培が拡大される見通しだ。
有効成分が高くコスト効率も優秀
タイミン製薬のグエン・クアン・タイ会長は、「VGCの栽培技術を高く評価している」と述べ、これまで標高1,400mに人参の適応に成功したこと、コントゥム省のゴックリン原生林に自生しているゴックリン高麗人参とライチャウ省に自生しているライチャウ高麗人参の栽培において成果を挙げていることを強調した。
また、ランダムに収穫された高麗人参のサンプルを分析すると、主要有効成分サポニン(MR2)が全体重量の4%を超える高濃度で含まれていた。生産性も高く、コスト面でも優れていることから、ベトナム産高麗人参の価格を下げ、誰もが利用できるようにするという長年の目標に近づけるとタイ会長は述べた。
ベトナム産高麗人参を世界へ
さらにタイ会長は、「今回の提携によって栽培地を大幅に拡大し、ベトナム産高麗人参由来の商品開発にも道が開けるでしょう。将来的にはベトナム産高麗人参のブランドを国際的に確立し、国の富と国民の健康に貢献したいと考えています」と将来展望を口にした。
一方、VGCのパク・チャヨンCEOも「ベトナム産高麗人参は宝物である」と語り、「タイミン社のような実力ある製薬会社との提携によって、高麗人参の栽培面積を何倍にも拡大できる見込みです。これはベトナムの高麗人参産業にとって大きな飛躍のチャンスになるでしょう」と述べた。
韓国の権威も期待を寄せる
式典には、韓国高麗人参協会の元会長であり、2012年からベトナム産高麗人参研究に関わってきたパク・ジョンヒル教授も参加した。「ベトナム産高麗人参は、国の宝であり、世界の宝でもあります。今後も韓国の技術と研究成果を投入し、ベトナムでさらに発展させたいと思います」と意気込みを見せた。
ラムドン省が“高麗人参のメッカ”に?
現在、VGCがラムドン省ラックズーン郡で所有・管理する高麗人参栽培地は約5.6ヘクタールだ。同社では今後、戦略的提携に基づき、同地域での栽培面積を拡大することで、「ラムドン省をベトナム産高麗人参のメッカに」という目標達成を目指している。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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