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【経済】ベンチェ省で異例のココナッツ輸入が広がる

ベンチェ省のココナッツ
(C) TUOI TRE

ココナッツの価格高騰と競争激化で輸出業者が苦境に

ココナッツの一大産地であるベトナム南部ベンチェ省が、初めてインドネシアからココナッツを輸入するという異例の対応に踏み切った。これは、価格高騰と過当競争が原因とされ、複数の地元企業が生産・輸出契約の履行に苦しんでいる状況を反映している。

ベンチェ省では現在、約8万ヘクタールのココナッツ農園が存在し、2024年の年間生産量は7億個を超えた。ココナッツミルクや乾燥果肉、缶入りジュースなどの加工品は好調で、2025年第一四半期には、飲料用ココナッツが900万個以上輸出され、輸出総額は、前年同期比14.62%増の1,200万ドル超を記録した。主要な輸出先はアメリカ、中国、韓国、日本、EU、オーストラリアなどとなっている。

特に2024年末には、アメリカと中国がベンチェ産ココナッツの正式輸入を認可し、これは同地域のココナッツ産業にとって大きな転機となった。

しかしその一方で、2025年3月以降、ココナッツ価格は急騰。乾燥ココナッツは1ダース(12個)あたり21万ドン超にまで値上がりし、前年からほぼ倍増した。この急激な価格上昇により、既に安価な価格で契約済みの輸出業者が損失を被る事態が発生することになった。さらに、現地企業と中国向け輸出業者との間で仕入れ競争が激化し、原料確保が困難となっている。

ベンチェ省商工局の調査によれば、複数の加工企業が原料確保のため、隣接するティエンザン省、ビンロン省、ロンアン省、ソクチャン省などに調達網を拡大している。それでも不足が解消されないことから、一部企業では、ついにインドネシアからココナッツを輸入し始めたという。これは、ベンチェ省のココナッツ産業において前例のない動きである。

さらに、中国市場では、タイ産ココナッツが低関税と緩やかな検疫条件を武器にシェアを拡大しており、ベトナム産の競争力低下も懸念されている。

ベンチェ省当局、ココナッツ業者支援体制を強化

こうした厳しい情勢に対し、ベンチェ省農業・環境局のドアン・ヴァン・ダイン局長は6月6日、記者団に対し、製品の品質維持と輸出市場での競争力確保が急務だと感じた地場企業が現代的な保管・梱包・物流システムへの投資を進めていると明らかにした。

また、農業環境局と商工局が企業が変動の激しい原料価格に対応できるよう、優遇融資制度の導入をベンチェ省人民委員会に提案した。あわせて、加工の高度化や新製品開発による付加価値の向上、バリューチェーンの国内外拡大も支援していく方針を示した。

ダイン局長は、「最も重要で長期的な解決策は、企業と農家が連携し、国際基準を満たす原料供給地を共同で整備することにある」と強調。現在、省内には有機栽培のココナッツが2万ヘクタール、飲料用の生ココナッツが1万ヘクタール以上あり、企業による連携が進んでいるという。

ベンチェ省では今後、安定的な供給網の構築を通じて、仲買人への依存や価格操作のリスクを軽減し、サステナブルなココナッツ産業の形成を目指すとしている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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