「対話と協力」で国益を守る姿勢明言
世界経済フォーラム(WEF)で「新時代のベトナム」を語る
6月25日、中国の天津市で開催された世界経済フォーラム(WEF)第16回パイオニア年次会議において、ベトナムのファン・ミン・チン首相は「ベトナムの新時代:ビジョンから行動へ」と題する政策対話セッションに登壇した。
同セッションには、政府関係者、国際機関、世界中の企業関係者など約100名が参加し、ベトナムの経済的自立性と国際統合、地政学的な競争における外交戦略などが主な議題となった。
「対立より対話を」——冷静かつ柔軟な外交姿勢
WEFのボルゲ・ブレンデ会長からの質問に対し、チン首相は「地政学的な緊張が高まる中で、ベトナムは対話と協力を通じて戦略的バランスを保つ」との基本方針を強調した。
チン首相は、ベトナムのGDPが約5,000億USDである一方、2024年の輸出入総額は約8,000億ドルに達し、中国と米国がその約50%を占めるていることを明らかにし、対外依存が高い経済構造を背景に、市場やサプライチェーンの多様化、柔軟な対応力の確保を進めていると述べた。
「元敵国」との和解も例示——米国との関係を引き合いに
首相は、「かつては戦争と制裁の関係にあった米国とも、過去を乗り越えて戦略的パートナーに進化した」と述べ、ベトナムの外交柔軟性を強調。「協力できる部分は最大限に活かし、守るべき利益は断固として守る」という姿勢を示した。
成長の新たな原動力は「科学・技術・イノベーション」
さらにチン首相は、今後の経済発展についても言及。「投資・輸出・消費といった伝統的な成長の柱に加え、科学技術・イノベーション・デジタル化・グリーントランスフォーメーションなど、新たな原動力を推進していく」と述べた。
首相は「正しい思考があれば、無限の可能性が開ける」と力強く語り、変化を恐れず挑戦する精神こそがベトナムの未来を切り拓く鍵であると結んだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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