農業・環境省「市場への影響は大きくない」
フィリピンとインドネシアが9月初めから米輸入を一時停止したが、ベトナム農業・環境省は「国内の米市場に大きな影響はない」との見解を示している。同省は今後、市場拡大策を進める方針である。
9月11日、農業・環境省は米輸出の状況を評価するため、国内企業と会合を開いた。企業側によると、農家は販売先に困ることはなく、予定通り企業による買い取りが進んでいる。
企業側「収穫は順調、価格も回復」
チュンアン社のファム・タイ・ビン会長は「夏秋作米の収穫はすでに完了しており、フィリピンの輸入停止は大きな影響を及ぼしていません」と述べた。
ビナフード1のブイ・ティ・タイン・タム会長も「農家が収穫した米は、企業が備蓄目的で買い取ることで供給と価格を安定させています」と強調した。
南部食糧総公社のチャン・タン・ドゥック理事によると、短期的な値下がりの後、アフリカ向け輸出や国家備蓄用の買い付けにより、米価格は回復基調にある。9月11日以降、高品質米は6,000VND(約36円)/kgを超え、一般米も5,000VND(約30円)/kgを維持している。
収穫量は安定、供給余力も十分
農産物品質・市場開発局によると、8月末までに全国で313万ヘクタールの米が収穫され、生産量は2,052万トンに達した。今後は南部で約70.8万ヘクタールの作付けが予定され、需給調整の余地は大きい。
また、作物栽培・植物保護局は、年末までにさらに1,380万トンの収穫を見込み、このうちメコンデルタの秋冬作だけで約600万トンが確保されると予測している。これは周辺国にはないベトナムの強みである。
中南米・アフリカ市場への輸出拡大へ
農業・環境省のチャン・ドゥク・タン大臣代理は「短期的にはフィリピンとインドネシアの米輸入停止措置による影響は限定的だ」とした上で、政府に対し、以下の施策を報告・提案する考えを示した。
- 銀行による優遇融資や債務再編の支援
- VAT還付手続きの改善
- 主要市場に農業参事官を追加配置し、貿易促進を強化
タン大臣代理は「短期的な対応と長期的な戦略の両輪が必要だ。信用・税制・貿易促進で即応しつつ、秋冬作の強みを活かし、新市場開拓と生産再編を進めることで、農家が利益を得て安心できる体制を築く」と強調した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN