ベトナム航空が世界に届ける“食の外交官”
ベトナムの代表的な料理「フォー」が、今や空の上でも世界の人々に愛されている。
ベトナム航空によると、同社の国際線で提供されるフォーは、外国人乗客から最も好まれる機内食の一つに数えられているという。
ベトナム航空のダン・アン・トゥアン副社長は「フォーは外国人にとって新鮮でありながら、どこか親しみを感じる料理です。香りや味の繊細さが“ベトナムらしさ”を感じさせるのでしょう」と語る。
高度1万メートルの機内に立ち上るシナモンとスターアニスの香り、澄んだスープ――フォーは、もはや単なる機内食ではなく、ベトナム文化を伝える“空飛ぶ象徴”となっている。
フォーを通じて世界へ、文化と誇りを届ける
ベトナム航空は、ベトナムの食文化を世界に広める活動にも力を入れている。
同社は新聞社と連携し、「ベトナム・フォー・フェスティバル」を日本、韓国、シンガポールなどで開催。2025年10月18~19日にはシンガポールの「Our Tampines Hub」で同イベントが開かれた。
トゥアン副社長は「フォーはベトナム人の創意と繊細さを象徴する料理です。フォーを世界へ届けることは、食の紹介を超え、民族の誇りを共有する行為でもあります」と語る。
同社は海外イベントで使用する食材や調理器具を国際基準で輸送・検疫し、現地でも機材や人員を動員してサポート。まるで特別運航のように、フォーを世界へ“安全に飛ばす”仕組みを整えているという。
「フォー」はベトナム文化の“ソフトパワー”
「私自身もフォーが大好きです」とトゥアン副社長は微笑む。
「ベトナム航空とフォーが共に世界を旅する姿を見ると、本当に誇らしい気持ちになります。フォーはベトナムらしさを体現する料理であり、それを世界へ広げるのは私たちの使命だと感じています。」
ベトナム航空は最近、「World Travel Awards」で「世界で最も文化的アイデンティティを持つ航空会社(World’s Leading Cultural Airline)」に選ばれた。
同社はフォーだけでなく、ベトナムの伝統的な味――ベトナムコーヒー、バインミー、ブンチャー、コムタム、ミークアン、季節の果物など――も国際線やラウンジで提供している。
「私たちは、すべての料理を“文化の物語”として選んでいます。
ベトナム航空のフライトが、ベトナム文化を体験する旅そのものであってほしいと願っています」とトゥアン副社長は強調した。
シンガポールでのフォーフェス、投資フォーラムも同時開催
「ベトナム・フォー・フェスティバル2025」は、ベトナム外務省とホーチミン市人民委員会の指導のもと、ベトナム大使館、サイゴンツーリストグループなどが共催。
シンガポールとベトナムが関係を「包括的な戦略的パートナーシップ」へ格上げした直後という時期に行われ、文化交流の象徴的イベントとなった。
テーマは「フォー – Enjoying together, growing together」。
CNNが「世界で食べるべき50の料理」に選出したフォーを通じて、両国の絆と共創の未来を表現する狙いだ。
会場では、サイゴン市内の五つ星ホテル(レックス、マジェスティック、グランド、殻ベル)や有名フォー店のシェフが集結し、本格的なフォーを実演提供。
また、同時開催の「ベトナム・シンガポール投資促進フォーラム」では、両国企業約150社が参加し、食品加工、物流、観光、農産物輸出などの協力拡大について議論した。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN