市中心部の渋滞緩和へ 新たな橋梁の建設が加速
ホーチミン市では今後、サイゴン川に架かる複数の大型橋梁が新たに建設される予定であり、都市圏の交通混雑解消と経済空間の拡張が期待されている。
このうち、最も注目されるのが グエン・コアイ橋の着工である。1カ月以内に正式着工される予定で、ホーチミン市の1区・4区・7区（いずれも旧区）を結ぶ重要インフラである。当初計画は2016年に承認されたが、用地補償費不足により長年停滞していた。2023年末、ホーチミン市人民評議会（HĐND）が総投資額を 3兆7,000億VND超 に増額し、計画が再始動した。
同路線沿いでは、数百世帯が自宅を後退させ用地を提供するなど、住民協力のもと準備が急ピッチで進む。現状、グエンタットタイン通り、グエンフートー通り、ファムフン通り、ズーンバーチャック通りなど周辺道路は慢性的な渋滞に悩まされ、特にケンテー橋は朝夕の激しい渋滞が続く。2027年には 延長5km以上の新たな橋梁・道路区間が開通 する見込みで、市中心部と南部との交通が大幅に改善すると期待される。
南部エリアで大型橋梁整備が続々 タントゥアン1、ビンティエンも始動
旧4区エリアでは、タントゥアン1橋の建て替え も承認された。これはグエンタットタイン通り拡幅（6〜8車線化）と一体で整備され、総投資額は 約3兆VND に達する。
さらに、延長3.66kmのビンティエン橋・道路プロジェクト（BOT方式、総投資額約6.3兆VND）も年内に実施可能性調査を完了し、翌年着工が予定されている。事業はタウフー運河、ケンドイ運河をまたぎ、旧6区から旧ビンチャイン郡へ接続する南北軸を形成する。
同時に、トゥーティエム4橋 もホーチミン市が投資手法の早期決定を指示しており、2028年までの完成を目指す。南部エリアでは2028年までに 少なくとも4本の新たな橋がサイゴン川を横断 する計画で、現状の深刻な渋滞緩和に寄与する。
緊急インフラとしての橋梁建設 成長拠点カンゾーへ直結
ホーチミン市は、交通需要が急増するカンゾー地区の発展に向け、カンゾー橋 と フーミー2橋 を「緊急実施が必要なプロジェクト」として提案している。
カンゾーへの陸路アクセスは現在、ビンカイン渡し船のみ に依存しており、週末や連休には著しい渋滞が発生している。カンゾーでは海上埋立都市（2870ha）や国際中継港など大型開発が進むことから、橋梁建設は喫緊の課題とされる。
通常手続きでは2027年2月に着工となるが、緊急方式を採用すれば 2026年4月に着工、2028年12月に完成 が可能となる。
フーミー2橋 ロンタイン国際空港と市中心部を最短で結ぶ新ルート
フーミー2橋 は、ホーチミン市とドンナイ省を結ぶ広域交通の要となる。リエンカン通り、グエンアイクオック通り（ドンナイ省）と直結し、さらに環状2・3・4号線とも連絡するため、ホーチミン市中心部からロンタイン国際空港への最短ルート となる。
緊急方式を適用すれば、2026年4月着工、2028年12月完成が可能で、完成後は都市高速道路（HCMC–ロンタイン–ザウザイ）への交通集中を軽減し、ナムサイゴンとニョンチャックの経済交流も促進すると見込まれる。
ホーチミン市とドンナイ省の広域連携を強化 6本の新橋を計画
両地域の連携強化に向け、ドンナイ省人民評議会は ホーチミン市と接続する6本の新橋建設 を承認した。
主なものは次のとおりである。
● カットライ橋（8車線）
- 始点：ホーチミン市グエンティディン通り
- 終点：ベンルック—ロンタイン高速道路
- 総投資額：約 20兆5,240億VND
● ロンフン橋（ドンナイ2橋）
- 総延長：約12km
- 橋長：2.3km
- 総投資額：約 11兆7,580億VND
● その他、3橋（旧ビンズン側）
- タインホイ2橋（6車線）
- タンアン橋（6車線）
- タンヒエン橋（6車線）
これらの橋梁と、ホーチミン市側が進めるフーミー2橋を合わせ、2028年までに広域接続網が大きく拡充する見込みである。
広域発展のカギは交通接続 ロンタイン空港と金融センター構想も後押し
ホーチミン市開発研究院のチューン・ミン・フイ・ヴー院長は、合併後の都市構造において TP.HCMとドンナイ省の接続性向上は最重要課題である と指摘する。とりわけロンタイン国際空港が事実上「第2のホーチミン市空港」と見なされる中、両地域の交通連携は国際投資誘致にも大きな効果を持つ。
さらに、ホーチミン市が構想する 国際金融センター（IFC） は、大規模なサービス需要・ホテル需要・空港アクセスを生み出すとされ、タンソンニャット空港―ロンタイン空港―金融センター間の三角動線の整備が不可欠となる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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