ベトナムの不動産は改正住宅法(2015年7月施行)により外国人も購入できるようになったことは、駐在員でご存じの方も多いかと思います。改正住宅法の詳細な規定は割愛しますが、ハノイではVinhomes Metropolis、ホーチミン市ではVinhomes Central Parkなどの著名なコンドミニアムを外国人が居住用または投資用として購入し、社宅利用や賃貸運用することが可能です。
読者の方で、知人がコンドミニアムを保有していたり、貸主が外国人だったというケースも少なくないのではないでしょうか。改正住宅法はインターネットでも多くの検索結果が得られますので、ベトナムの不動産にあまり興味がない方でも、既に良く知られている規定かと思います。
そのため、上記のような不動産を外国人が個人の単独名義で購入可能です。ただし、単独名義での購入であっても、売却の際には配偶者の承諾が必要なことはご存じでしょうか?
ベトナムの婚姻家族法第33条「夫婦の共同財産」の中には、「夫婦が個別相続または個別贈与を受けた財産または夫婦が個別財産を介して獲得した財産を除いて、夫婦の結婚後に獲得した土地使用権は夫婦の共同財産である」と規定されています。
つまり、単独名義で購入していても、保有期間中に婚姻関係があれば、売却の際には配偶者の承諾が必要となります。保有期間中に離婚して再婚した場合には、前配偶者と現配偶者の承諾がそれぞれ必要です。
日本人には馴染のない規定で、現場では本規定によって売却が進められない案件相談がいくつかあります。ベトナムの不動産購入を検討の際には、本規定も良くご確認ください。