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最新実務レポートベトナム不動産 Vol.03
権利証が発行されない!?
日本と異なる中古不動産の売買

 日本での不動産売買の決済では、権利証の登記変更申請も同日に行います。金融機関、司法書士、不動産会社など多くの関係者が一堂に会し、緊張感のある雰囲気の中で行われるイメージです。

 ベトナムは随分違います。ホーチミン市では未だに外国人への権利証(レッドブックやピンクブックと呼称)の発行事例は少なく、権利証発行前にコンドミニアムを売買するのが一般的な商慣習です。そのため、二重売買などのトラブルを回避するために、デベロッパーと公証役場が売買取引に介在し、取引の安全性と信頼性を担保しています。

 具体的に説明します。中古(既存)不動産を購入・売却する場合、まずデベロッパーへ所有者について照会します。未払金がないなどで現所有者が売却可能なら、日本と同様に仮契約書を取り交わし、決済の日程を調整します。

 日本と異なり融資利用の特約による解除条項(いわゆるローン特約)はありませんので、一般的には仮契約後のキャンセルに違約金が発生します。

 売買契約書の締結(決済)の際には、公証役場で取交しを行います。原則、買主と売主の双方が公証人の面前で売買契約書に署名し、公証人による売買契約書の認証版と売主の譲渡税の納税証明書をもって、デベロッパーが名義変更の完了通知書を発行します。これで一連の手続きは完了です。

 このように二重売買できない仕組みもしっかりなされていますが、実務では、逆に外国人に権利証が発行されると手続きの煩雑さから流動性が低くなるトラブルも発生しており、次号ではそちらを解説いたします。

西村武将 Takeshi Nishimura
N-Asset Vietnam代表。2011年の設立時より来越し、主にベトナムの不動産売買・仲介事業に従事。北海道、熊本県、神奈川県、ホーチミン市、ハノイ(予定)で、N年ダイエット中。ベトナム住みます芸人「ダブルウィッシュ」と同級生。