陸軍医学研究所のドー・クエット所長によると、6月8日から陸軍医学研究所のワクチン研究グループによってCOVID-19ワクチンNANO COVAXの第3相臨床試験が開始される。
この第3相臨床試験は、複数の省と市で1万3000人を対象にワクチン接種をおこなう予定だ。但し、最初の1000人に接種した段階でワクチンの安全性、免疫性、発症予防効果などに関して充分なデータが得られれば、今年の9月にもパンデミック時の緊急承認規則に従って、ベトナム保健省に対してワクチンの承認申請をおこなう予定だ。
クエット所長は、これまでの第1相と第2相の臨床試験を通じて、Nano Covaxは安全性と抗体産生の基準を満たしており、1回目のワクチン接種から42日後の抗体の数を比較した場合、合格基準の4倍を大きく上回っており、中には200倍以上となったケースもあったとのことだ。
他のCOVID-19ワクチンの一つであるCOVIVACを研究している中央衛生疫学研究所のダン・ドゥック・アン所長は、今週中に第1相の研究データが十分に集まり、タイビン省で実施される第2相の臨床試験に移行できる予定だと述べた。また、順調にいけば今年の9月には、第3相の臨床試験に移れる見込みだとしている。
「場合によっては、プラセボ(偽薬)を投与される場合もあるにもかかわらず、この研究にボランティアとして参加してくれた被験者には大変感謝しています。この様なボランティアの皆さんの協力が無ければワクチンを完成させることはできません」とアン所長は感謝の言葉を述べた。
ベトナムでは、2020年半ばから4つのワクチンメーカーがCOVID-19ワクチンの開発を進めており、現在、NANO COVAXとCOVIVAXという2種類のワクチンが人体への臨床試験段階へ移行している。この2種類のワクチンは、これまでの臨床試験では非常に良好な結果が出ており、上手くいけば2021年の末か2022年初頭には正式に導入される見込みである。
出典:07/06/2021 TUOI TRE
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