ファン・ミン・チン首相は、日本の国際協力銀行(JBIC)に対して、ベトナムの南北高速鉄道建設の研究開発について支援を要請した。
7月22日の朝に行われたJBICの前田匡史会長との会談でチン首相は、南北高速鉄道建設は、簡単なことから取り組み難しい問題は後回しにして、出来る部分から実施しながら経験を積むべきだと述べた。
南北高速鉄道プロジェクトに加えて、チン首相は、日越両国の首脳によって話し合われたベトナムの戦略インフラ開発プロジェクト、特に現在ベトナム国内で展開されている高速道路建設プロジェクトなどの交通インフラや気候変動対応インフラ、デジタル化、医療能力の底上げ、イノベーションの促進、人材育成など新世代のODA協力プロジェクトの促進について日本政府とJBICの協力を期待すると表明した。
チン首相はまた、日本政府とJBICに対して、日本の首相がCOP26会議において約束した2050年までに温室効果ガス排出ゼロを達成するための追加資金援助100億USDにベトナムがアクセスできるように支援を求めた。
JBICは、ベトナムが具体的なプロジェクトによって太陽光発電や風力発電の分野の設備製造能力を向上することを支援し、ベトナムの再生可能エネルギー開発を進めるために、政策アドバイス、資本提携、技術提供、人材育成などを支援するとしている。
チン首相は、JBICが日本企業に対してベトナムへ投資をシフトし、ベトナムへのサプライチェーンを多様化させることを奨励し、近い将来に日本がベトナムで最大の投資国になることを期待すると述べた。
これに対してJBICの前田会長は、ベトナムの環境問題に関する誓約事項や取り組みを高く評価した。前田会長は、チン首相の提案に同意し、JBICは、ベトナムと様々な分野で協力関係を拡大することを望んでいると伝えた。
ベトナムは、具体的なプロジェクトや計画を通じて温室効果ガスの排出ゼロを実現させるために気候変動問題について協調戦略を実現する日本にとってASEANにおける重要なパートナー国の1つである。
南北高速鉄道投資プロジェクトは、2010年6月に国会に提出されたが、その時は承認されなかった。2022年初旬に、南北高速鉄道プロジェクトの実現可能性事前調査報告書が交通運輸省から政府に提出され、現在政府の審議会が内容を検討している。
今回、交通運輸省は、全長1559㎞、最高時速350㎞、平均時速320㎞で旅客輸送を専門に行う南北高速鉄道プロジェクトを提案した。一方で、既存の南北統一鉄道については、貨物輸送専用路線へ切り替える予定だ。
このプロジェクトの総投資額は580億USDを超えるとみられている。2030年までの第1フェーズではハノイ-ヴィン間とホーチミン市-ニャチャン間の2区間の開発に112兆VNDの投資をおこなう予定だ。
コンサルティング機関は、平均時速320㎞の高速鉄道でハノイからヴィンまで1時間かかるが、飛行機の移動の場合、フライト時間と空港でのセキュリティチェックには3時間かかると試算している。ハノイ-ニャチャン間は4.2時間で、飛行機のフライトとセキュリティチェック時間の4.5時間とほぼ同じになる。ただし、ハノイ-ホーチミン市間の場合は、高速鉄道の移動では5.5時間かかり飛行機より1時間程度長くなる。
南北高速鉄道の運賃は、飛行機の平均チケット価格の75%以内に収まるように試算されている。
出典:22/5/07/2022 VNEXPRESS
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