ベトナムの交通運輸省は、もしオミクロン株が確認された国からの入国者に対して隔離措置を実施するとなれば、国際線再開にとって非常に大きな障害になると指摘した。
12月29日に交通運輸省は、2022年1月からの国際商業旅客便の定期運航再開に関して、首相に計画の進捗状況を報告した。
その中で、交通運輸省は、ハノイ市人民委員会がオミクロン株の感染が確認された国からの入国者に対して集中隔離措置を求めている点について言及した。国際商業旅客便の再開にとって、非常に重要な条件は、入国者への集中隔離措置を撤廃することにある。そのため、ハノイ市の集中隔離要請は、国際線再開にとって非常に大きな障害となり、場合によっては、国際線の再開ができなくなる可能性がある。
交通運輸省は、各地方自治体は保健省のガイドラインを遵守する必要があると指摘する。それによれば、ワクチンを2回接種済みかCOVID-19感染から回復した入国者は、3日間の自宅隔離、ワクチン接種が不十分な入国者は、7日間の自宅または、宿泊施設での隔離を実施するとされている。
また、交通運輸省によるとホーチミン市保健局は、航空会社に対して各フライトごとにベトナムでの滞在先に関する正確な情報が記載された入国者リストを少なくとも24時間前にCDCへ提出するように要請している。しかし、保健省のガイドラインでは、入国者はPC-COVIDとIGOVNアプリによって入国後の滞在先情報を含めた電子医療申告を実施しなければならないとされている。
そのため、交通運輸省は、ホーチミン市保健局の陽性は、保健省のガイドラインに沿った適切な措置とは言えないと指摘する。
ベトナムは、国際線再開にあたってまずは9路線を試験的に再開させる考えだが、この9路線すべての対象地域でオミクロン株が確認されている。
これまでに、アメリカ、日本、シンガポール、カンボジア、台湾とは国際線再開基本計画について合意ができている。タイの航空当局とはベトナム民間航空局が交渉を続けている。
在ベトナム日本大使館は、オミクロン株の出現によって日本は入国者を制限していると述べた。一方で韓国は2022年1月15日まで、海外から入国する外国人に対して、暫定的に10日間の隔離措置を適用するとしているが、ベトナム側からの提案については積極的に検討するとしている。中国とラオスは、ベトナムからの提案について今のところ回答していない。
国際線再開対象国は、ベトナムに対して外国人に対する入国ビザ発給手続きを明確にするよう要求している。また、隔離規定を撤廃し、各路線のフライト本数を増やすことも求めている。
国際商業旅客便の再開計画を効率化するために、交通運輸省は、首相に対して、外務省にベトナムの国際線再開に向けた対象国からの回答を促すように関係機関に指示するよう要請し、保健省に対して世界各国でオミクロン株が蔓延しつつある状況下で適切な感染防止対策を対象国に示すように指示することを提案した。
交通運輸省はまた、首相に対して日本、韓国、台湾との国際線のフライトを週7便に増便することと、海外在住のベトナム人がベトナムでテト(旧正月)を迎えられるように、国際線再開の初期段階でヨーロッパとオーストラリアの路線も追加することを提案した。
現在、ベトナム国内の航空会社は、アメリカ、日本、シンガポール、カンボジア、台湾との国際商業旅客便のチケット販売を開始している。
出典:29/12/2021 VNEXPRESS
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