ベトナム財務省によると、フェイスブック、グーグル、マイクロソフトなどの世界的なプラットフォーム企業は、2022年4月末までに5兆1110億VND(約292億円)を納税した。
財務省のホー・ドゥック・フック大臣は、6月8日の午前中に国会の質疑に対応する4人の大臣のうちの一人だ。国会に送られたばかりの質疑答弁書の中で、フック大臣は、世界的なプラットフォーム企業の年間平均納税額は1兆1000億VND(約63億)に達すると述べている。2018年から2022年4月末までに海外企業の代理納税機関を通じて、これらの企業は、5兆1110億VND(約292億円)の法人税を申告し納税した。このうちフェイスブックが1兆9650億VND(約112億円)、グーグルが1兆9020億VND(約109億円)、マイクロソフトが6510億VND(約37億円)を納税している。
3月にフック大臣が報告したデータと比較すると、これらの世界的なプラットフォーム企業からの税収は1兆1000億VND増加したことになる。
この金額に加えて、税務当局は国境を超えたデジタルサービスやeコマースビジネスによって収入を得ている個人と企業から7350億VND(約42億円)の追徴課税を徴収した。この数字のうち2022年1月から4月までの金額は1760億VND(約10億円)となっている。
しかし、急速に成長しているデジタル経済と電子商取引はその特性により、税の管理と徴収には多くの課題が残されているとフック大臣は指摘する。
最大の問題は、収入源と納税対象者の管理だ。現在、殆どの国では、徴税は納税者の存在に基づいているが、デジタルプラットフォームでビジネスをおこなう企業や個人は国境を超えて、最も有利な場所に利益を移し、その国の税制に従って納税している。
さらに難しいのは、課税対象を確定することが出来ない点にある。実際、デジタル空間は現行の税法の想定範囲外である。この活動の典型的な例は、SNSのプラットフォームを活用したオンライン広告とインタラクティブなビジネス活動だ。
また課税所得対象を明確に区別することも困難だ。例えば、ソフトウェア、デジタル製品、ネットでダウンロードされたアプリなどの売り上げを著作権料、サービス費用または、企業の利益に明確に分けることは非常に難しい。
更に、Grabのようなシェアリングエコノミーモデルでは、VATを加算するための基礎として、売り上げを輸送サービス料金とみなすのか、需要と供給のコネクティングサービス費用とみなすのかが非常に難しい。
非接触型決済方法も多種多様になってきているために、デジタルプラットフォームやeコマースプラットフォームでのキャッシュフローの管理も容易ではない。
ベトナムでは、商品と引き換えに代金を支払うCOD方式が、非接触型決済よりも普及しているため、国内の電子商取引の流れを管理することはさらに難しくなっている。
デジタルプラットフォーム事業の管理と税務上の損失を回避するために、フック大臣は、税管理法(VAT、個人所得税、法人税)の改正と補足が必要であると述べた。この改正は、決済仲介業者、海外のデジタルプラットフォーム提供企業、eコマースプラットフォーム所有者の財務報告、納税申告、代理納税の責任を規定する方向で調整される。税務当局は、技術インフラをアップグレードし、税務管理データベースを構築し、eコマースに対するリスク管理を実施する。
出典:06/06/2022 VNEXPRESS
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