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【経済】企業が事業活動再開を躊躇う理由

(C)VN EXPRESS

活動再開が許可されたが、一部の企業は”再開しなければ死ぬ、しかし再開しても死ぬ”というジレンマに陥っている。

「活動再開が許可されても、小規模店舗では悲観的な見方をする経営者も多いです。」と中小企業連盟のドミニク・ブー会長は話す。ブー会長の見立てによると、飲食店で活動を再開したのは全体の10~20%に過ぎない。

ブー会長は、その理由として感染拡大によって事業コストが上昇したが、売上や利益は殆ど上がらない点を指摘する。一方で、感染防止対策は依然として不確実で、地域によっても違いがある。
「これらのことが店舗のオーナーを不安にさせ、仕事の再開を躊躇させているのです。」とブー会長は話す。

ホーチミン市内で3軒のレストランを経営するリー・ニャット・ヒウさんは、企業は活動再開に向けて大きなジレンマに陥っていると指摘する。「再開しなければこのまま死んでいきます。しかし再開したところで、やればやるほど赤字になって結局死ぬだけです。」とヒウさんは話す。

ヒウさんは、感染第4波によって5か月間も営業を停止せざるを得なくなり数十億VNDの損失を出していたので、ホーチミン市が活動再開を許可する日を指折り数えて待っていた。

「レストランの家賃は、減額してもらっても月に3億ドンが必要で、それ以外に閉店期間中のレストランの維持とメンテナンスの費用を合わせるとほぼ20億VND掛かりました」とヒウさんは話す。毎日、目が覚めると損失のことを考えて熱がでそうだったが、ヒウさんは、これまでに投資した数十億VNDのことを考えると、レストラン事業を辞める気にはなれなかった。社会保険への申請処理に時間がかかったので、スタッフへの2回の支援金支払いのためにヒウさんは、車を売却し借金に奔走した。

しかし、現在の状況になってヒウさんはレストランを再開させるのは容易ではないことに気付いた。まず、スタッフを集めることが難しいという。感染拡大が長期に渡ったことで、ヒウさんの会社の人事組織は崩壊してしまっていた。

「一部の従業員は、感染拡大を恐れて帰省してしまいました。また、他のスタッフは仕事を辞めて、オンラインで麺料理の販売をしています。他の従業員も配達作業員に転職してしまいました。」とヒウさんは話す。ヒウさんによると現在の状況では、料理人のような特別なスキルを持った人を採用することは非常に難しい。「現在の状況で地方から人々が戻ってくるのは簡単ではありません。」とヒウさんは話す。

企業はまた、サプライチェーンが完全には回復していないことで、仕入が難しくなり、仕入れコストが数十%も上昇しているという問題にも直面している。さらに市内のデリバリー費用も高額になっている。

「コロナ前の食事セットは12~13万VNDでしたが、今ではデリバリー代金も合わせると20万VND以上になってしまいますので、少しでも値下げする努力が必要です。売り上げはありますが、利益はほぼ0です。」とヒウさんは、最近のオンライン販売の状況を話してくれた。

さらに、レストランが店内で営業する場合、受け入れ人数を最大20人までとし、人と人の距離を2m確保しなければならないという規定も企業の活動を困難にしている。事業を再開するにあたってはスペースにかかる費用が最も頭の痛い問題になっている。

「レストランが閉鎖している間は、家主も家賃を抑えてくれましたが、営業が再開されれば家賃を抑える理由はありません」とヒウさんは話す。しかし、旅行者もなく、スタッフも戻ってこず、客は支出を極力抑える傾向にある中で活動を再開させても予想される売上は限定的だ。

ベトナム青果協会(Vinafruit)のダン・フック・グエン事務局長も企業が事業活動を再開させるには多くの課題があるという点に同意する。

「事業活動の再開については、各自治体が足並みを揃える必要があります。ホーチミン市が再開しても近隣の省が依然として厳しく引き締めていれば企業が事業活動を再開させるのは難しくなります。」とグエン事務局長は話す。

グエン事務局長はまた、全国の感染防止対策を統一させる必要があると指摘する。グエン事務局長によると、ベトナムはゼロコロナを維持することは難しくウイズコロナに方針転換する必要があるとしているが、各地方自治体は、古い考え方を維持し、独自の感染防止対策規定を発行しており、企業の活動再開を妨げている。

例えばハウザン省では、省に入る荷物は必ず定められた中継地点を通過してから省内を移動する必要があり、ドライバーは2回のワクチン接種を完了している必要がある。この様な措置は、企業に余計なコスト負担を強いることになる。「ワクチンを接種していれば自由に移動できるという発想転換が必要です。我々は、感染を制御する必要があるのであって、車の移動制限が目的ではありません。」とグエン事務局長は話す。

一方で、グエン事務局長は、ワクチンを1回又は2回接種している労働者に対して省を越えた通勤のための条件を整えるべきだと指摘する。なぜなら幾ら原材料を集めたところで、労働者がいなければ工場は製造活動を維持できないからだ。グエン事務局長は、労働者と資材の移動がスムーズにならなければ、企業が事業活動を再開させるのは難しいとの見方を示している。

出典:06/10/2021 VNEXPRESS
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