2021年3月から減少傾向であった月例消費者信頼感指数(基準値100)は、社会的隔離緩和後の10月に下げ止まっていたが、11月は再度下降し、マクロ景況感は70.99、世帯景況感は67.08で、過去最低スコアまで落ち込んだ。個人景況感は37.64で過去最低の9月と1ポイントしか変わらず、ほぼ横ばいだった。
特にマクロ景況感は13ポイント減少し、経済活動が正常化に動いた10月には一度上向いたものの、期待に背く結果となった。
都市別で見ると、ホーチミン市は個人景況感のみハノイと同等のスコアな一方、マクロ景況感の65.88、世帯景況感の62.18は、ハノイより約10ポイントも低い。ホーチミン市の厳格なロックダウン中に失業や休業による収入減があり、貯蓄を切り崩しながらの生活を余儀なくされたであろうことが察せられる。今後も消費者マインドの低迷は長く続くと予想できる。
商材別でみると、9月までは食品・飲料が消費として最大だったのが、10月は家庭用品とヘルスケア用紙が食品・飲料と同程度まで上昇した一方、衣服の消費が過去最悪まで下落した。
年間の消費が最大となるテト(旧正月)が1ヶ月後に迫る。現在と将来に対する消費者のマインドは慎重であり、収まらない新型コロナの影響もあって、「巣ごもり」がキーワードとなるだろう。その巣ごもり消費のニーズをつかめば、商機は訪れるかもしれない。もとより政府方針であるウィズコロナ政策で、特にホーチミン市で個人景況感がよりプラスに働くことを期待したい。