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ベトナムで活躍する日系企業|
リーダーたちの構想 第13回
ヤマトロジスティクスベトナム

大手の日系物流企業ではベトナム進出が後発のヤマトホールディングス。クロスボーダー陸上輸送に加え、ベトナム市場の将来性からクール宅急便を始めるなど、「気持ちはベンチャー」という松田弘社長がその背景を語る。

クロスボーダー陸上輸送で業績向上

―― 進出して4年、業績はいかがでしょうか?

松田 売上が計画の200%以上と、とても順調です。現地法人は2015年2月にハノイ、5月にホーチミン市に設立しましたが、両都市には2007年に駐在員事務所として既に進出しており、フォワーディングと海外引越に関するマーケティングなどを行っていました。

 業績上昇の要因は、2016年にクロスボーダー陸上幹線輸送を行うOTLグループを買収し、トラックによる陸上輸送を始めたことです。これまで行ってきた航空輸送と海上輸送に加えて、「船より早く、飛行機より安い」と第3の選択肢としてお客様に営業を開始しました。航空・海上輸送のお客様は日系企業が多かったのですが、陸上輸送では韓国系企業が多く、特に伸びているのが中国の華南~ハノイ間の輸送です。

―― なぜ御社が選ばれたのだと思いますか?

松田 遅延がなく、レスポンスが早いなどの点が評価されたのだと思います。工業部品を運ぶことが多く、お客様は配送が遅れると工場のラインが止まる可能性もあります。他社と比べると価格は少し高いかもしれませんが、きちんと定期的に届くことや、きめ細かな情報連携が評価されているようです。

 また、航空、海上、陸上のすべての輸送モードを提案できるため、物流全体の効率化などの相談を受けることも多くなりました。

―― どのような事業を展開しているのでしょうか?

松田 ベトナムの事業としては、フォワーディングが全体の8割、その他、日本人駐在員向けの海外引越が2割です。フォワーディングは北部では大口配送が中心ですが、南部ではサービス業向けの小口配送が中心です。小口配送は現地物流企業の365トレーディングロジスティクス(365エキスプレス)と合弁で2017年に設立した、ヤマト365エキスプレスが行っています。私は同社の代表取締役社長を兼任しています。

 ヤマト365エキスプレスは小口保冷配送の「クール宅急便」を提供しています。扱うのは食品や食材が多く、日本から輸入した高級食材や、ベトナムの生鮮食料品などを小売店やレストランに配送しています。当初は、トラック2台とバイク5台からスタートし、ニーズ調査も継続して行ってきました。

 この2年で見えてきたのは高品質配送のニーズが高まっていること。高級な食材、例えば、肉、魚、卵、アイスクリームなどの温度管理や品質管理の徹底が求められています。実際に、お客様に私たちの倉庫を見学していただき、トライアル配送をして、その品質にご満足いただいてから、ご利用を決めるなど、品質に対する徹底した管理が評価されています。

―― 今後はどのように事業を展開していきますか?

松田 トラック1台単位のチャーター便や常温の宅配便は競合他社が多くあり、価格競争になりがちです。一方で複数のお客様の荷物をまとめて運ぶ混載便であれば、1個当たりの荷物を安くすることができます。私たちには日本の宅急便で40年以上培った混載便のノウハウがあります。これを活かして、今はお客様のニーズを調べ、ベトナムでの実績を積む時期だと思っています。特に消費地としての南部では、今後は小口の保冷混載輸送で勝負します。

 ただ、単純に日本のクール宅急便をそのまま持ってきてもベトナムでは通用しません。例えば配送時間を細かく指定して自宅に届ける日本のスタイルは、海外では特殊です。ベトナムでは店舗や個人なら会社に届けるのが一般的なので、細かな時間指定が要りません。店舗へのチャーター便での納品は開店前が基本なので、朝方の配送が集中してしまいます。その一方で混載便は、様々なお客様の荷物を扱うため、朝9時~夕方5時の間で全体的に効率良く配送できます。

 弊社はベトナムでは後発です。ベトナムでは物量が年々増えており、その結果、競合他社も増加しています。お客様のニーズが多様化する中で、それにしっかりと対応していけるよう、今後も様々な業務を率先して請けていきたいと思います。

 ベトナム企業は、日本人や外国人を採用して、素早く彼らのノウハウを吸収しています。そのためこれから一気に成長する危機感を持っています。そのスピードに負けないように、しっかりと私たちも成長したいと考えています。

ベーカリーで顧客との接点を

―― ベーカリーの出店もされています。

松田 ヤマトホールディングスの特例子会社である株式会社スワンと、365エキスプレスが加盟店契約を結んで、SWAN CAFE & BAKERYをホーチミン市に2店舗出店しました。弊社の収益とは直接関係ないのですが、様々な協力をしています。

 6月には岩手県のメーカーさんにお声がけし、スワンカフェ店内で海鮮丼やホタテグラタンの試食会を開催。ベトナムに駐在している日本人の奥様たち約20人を招待しました。また、日系企業の工場の会議室にお伺いして、スタッフの方向けにスワンベーカリーのパンの試食・販売会をしました。約100名の方に集まっていただき、完売しました。

 ベーカリーとは別ですが、当社の事業である海外引越では、ご利用いただくタイミングは赴任・帰任の際のみになってしまうので、赴任中のお客様と接点を持ちたいと考えていました。ベトナムでは後発のため知名度が低いので、スワンをきっかけに知ってもらえれば、日本からの輸入品が増えるなど、弊社にもメリットがあるのです。

―― 今後はどのようなことをしたいですか?

松田 ローカル化を進めたいです。ようやく事業が形になってきたので、次のステップとしてベトナム企業やベトナム人のお客様を増やしたいです。ベトナムの方に私たちのサービスを便利に感じてもらうためには、ローカルの視点が大切です。今後はベトナム人スタッフの幹部クラスへの登用を進めるつもりです。

 当社で働く人材として大切なのは、物流業務の経験よりも、お客様のビジネスに役立つ提案ができること。そのためには、物流の知識やノウハウ、語学などよりも、「お客様の話を聞ける人」であることが前提であり、その中で生まれた「お困りごとをどのように解決するか提案できる人」を多く育てていきたいのです。

 私は中国に赴任した際も同地の事業立上げをしており、ベトナムでも同様の役割です。新規事業の立上げは大変なことも多いのですが、新しいことに挑戦するのはやっぱり面白い。今後もベンチャーマインドで、常に挑戦を続けていきたいと思います。

YAMATO LOGISTICS VIETNAM CO.,LTD.
YAMATO 365 EXPRESS CO., LTD.
松田 弘 Hiroshi Matsuda
大学卒業後にヤマト運輸株式会社に入社。国際事業本部で海外引越などを手掛けた後、2001~2008年に中国に駐在。2015年2月よりヤマトロジスティクスベトナム、2017年8月よりヤマト365エキスプレスのGeneral Director。