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【新型コロナ】感染者が多すぎて会社が回らない。

(C) VNEXPRESS

先週、ナムさんの会社では毎日COVID-19の感染者が出て最終的に15人が感染した。業務が回らなくなる可能性があったので、ナムさんは”一人が3人分の仕事をする”という方針を適用せざるを得なくなった。

「うちの会社の従業員200人の40%が陽性です。」とハノイでオートバイ部品製造企業を経営するグエン・ホアン・ナムさんは話す。

旧正月休みの後、ナムさんの会社ではCOVID-19に感染したとして休む人が数人出た。ナムさんはある程度感染者が出ることは予測していたが、今週の感染者急増は、ナムさんをパニックに陥れた。「工員だけでなく、事務所スタッフも次々と感染しています。」とナムさんは話す。

注文をこなすために、過去数日間、ナムさんの会社の多くの従業員が14~16時間残業しなければならなくなった。多くのポジションでは代わりになる人材がおらず、ある工員は朝6時から夜11時まで仕事を続けなければならない日が何日も続いた。オフィスでも一人のスタッフが2~3人分の仕事をこなす必要がある。また、生産活動を維持するために、一部の管理スタッフが工場の現場に派遣された。

感染者数の急増によってナムさんは感染防止対策の方針を変更せざるを得なくなった。F1の工員は隔離のために休むことはできない。F1になった場合、自宅にF0がいて世話をしなければいけない人を除き、簡易テストを実施し陰性であればそのまま仕事を続ける。F1の工員は、他人が見てすぐに識別出来て、距離がとれるようにするため、腕に赤い布を巻いている。工員の昼休み休憩は食事時間の30分のみとし、昼寝休憩は無くした。その補償として会社側は休憩ができなかった30分間に対して1時間分の給与を支払う。従業員のやる気を刺激し、健康を守るため会社側は残業代に対して1時間当たり1万5000VNDを追加し、シフトの間に軽食を提供している。

「現在当社は、顧客の納期を守れていますが、生産を維持するための人件費は今月間違いなく高騰しているでしょう。」とナムさんは話す。

ベトナム労働総同盟のブー・ミン・ティエン組合長は、ナム社長の会社の状況は珍しいことではないと話す。ティエン組合長が指摘するように旧正月以降、COVID-19感染による人材不足が北部の企業で急増しており、従業員の30%がF0といったケースもある。

実際、過去数日間で全国のCOVID-19新規感染者数は急増している。3月3日、保健省は、全国で17万6000人以上の新規感染者を確認した。ハノイも過去最多の1万8600人が感染し、前日から3500人も増加した。過去14日間でハノイの感染者数は191%も増加している。

「労働者がいないために一部の企業は、労働契約の条件を引き上げざるを得なくなっています。一方で、F0でない労働者もF0のために多くの仕事をこなさなければならないという苦境に立たされています。」とティエン組合長は話す。

ホーチミン市12区の銀行で働くファン・チュン・タインさん(27歳)も、一人で3~4人分の仕事を任されている。旧正月前、彼の部署にいた10人のスタッフのうち9人がCOVID-19に感染した。タインさんは、旧正月を喜ぶ暇もないほど仕事に忙殺された。

「COVID-19は、多くの企業と市民に借り入れを余儀なくさせました。年末には、例年より多くの企業と市民が返済の猶予を求めてきました。」とタインさんは話す。タインさんは、同僚の代わりに毎日5~6人の顧客と面談し、仕事が終わるのは早くても午後9時を過ぎている。

顧客は支払いが遅れて借り入れができなることを恐れてタインさんに連絡を取ろうとするため、彼の電話はひっきりなしになり続けている。10日間以上に渡って通常の3~4倍の仕事量をこなしたために、タインさんは3㎏も痩せた。

タインさんがSNSで自分の状況を共有したのを見て、ハノイの菓子製造工場で経理の仕事をしているホン・ホアさん(27歳)は、大いに共感したという。ホアさんの会社では、現在同じ部署の20人のうち17人がCOVID-19に感染しており、ホアさん自身もF1だ。

1人で5~6人分の仕事をこなさなければならないため、ホアさんは、会社の近くで朝食と夕食を食べる以外は、1週間泊まり込みで仕事を続けている。週末には田舎の友人の結婚式に参加する予定だったが、それもあきらめた。「F0になった同僚は、いつも仕事の状態を訪ねてきたり、オフィスに食べ物を送ってくれて、感染しないで頑張ってねと励ましてくれます。実際、私が感染したら、この部署で働ける人は誰もいなくなりますよ。」とホアさんは話す。

集団F0の発生は、企業の製造活動や事業計画に大きな影響を与える。ハノイの建築会社を経営するグエン・チャン・ラム社長(29歳)は、2日間の社員旅行の計画を立てていた。しかし、先週になってラム社長はCOVID-19に感染してしまった。その2日後には、会社の他のスタッフ達も陽性となった。「2日間の社員旅行の予定が、2日間のCOVID-19休暇になってしまいました。」とラム社長は話す。

顧客との面会アポイントがキャンセルされ、感染した社員の体調が悪くオンラインでの対応もできなかったため、いくつかのプロジェクトが中断した。ラム社長は、他のスタッフより先に感染したので、先に回復したが、スタッフの仕事もフォローしなければならず、多くの仕事に忙殺された。

国防省傘下のベトナム・ロシア熱帯病センターのグエン・フイ・ホアン医師は、現在のような状況では、企業は、企業内感染を防止するために、作業部署ごとに労働者を健康状態でグループ分けすることを推奨している。

感染リスクの高いF1は、別のグループに分ける必要がある。初期症状のある人には検査は必要ないが、同僚との接触を避けるようにグループ分けを積極的におこなう。オンラインで対応できる業務であれば、スタッフの在宅勤務を推奨する。オフィスのドアを開けて換気を良くし、職場でもマスクを着用し、会話や食事を制限した方が良い。

「仕事が多くあり、F0が多いが症状が軽い場合、仕事ができる状態なのであれば、F1とは分離した形でF0だけのグループで仕事をすることもやむを得ないでしょう。実際、多くの病院では、軽症のF0の医師は、通常通り仕事をしています。」とホアン医師は話す。更にホアン医師は、現在、デルタ株よりもオミクロン株が優勢となっており、ホアン医師は、一度感染したことのある人も油断せずに再感染防止対策を続ける必要があると注意喚起する。

ブー・ミン・ティエン医師は、保健省の一般的な感染防止対策を遵守することに加えて、各企業は、労働力を柔軟に活用する必要があると述べた。感染リスクの高くないF1であれば、ナムさんの会社のように他の人たちとの距離をとったうえで、通常通り仕事をすることもできる。F0についても、オンラインで働きたいという人には、在宅勤務を認めた方が良いとティエン医師は話す。

現在、ナムさんの会社では、月単位ではなく日単位で契約注文をこなすために全力で仕事に取り組んでいる。ナムさんは、4月成就運までには、社員が全員COVID-19から回復し、以前のような状況に戻ることを期待している。

出典:04/03/2022 VNEXPRESS
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