スマホアプリのZenlyは友人や家族の現在地をリアルタイムで表示できるが、ストーキングツールとして悪用されるリスクもある。
Google Playストアでは、現在Zenlyがベトナムでのダウロード数ランキングの第3位となっている。App Storeでも、このアプリはトップ20に入っている。Google Trendsの統計によると、キーワード検索数も「Zenly」が1月の6倍以上に上昇し、2月で最多の検索ワードとなっている。
ZenlyはSNSアプリで有名なSnapchatによる位置追跡アプリだ。ユーザーがZenlyで友達を作るとお互いの位置、バッテリー容量など様々な情報が共有される。位置情報はリアルタイムで更新されるため、相手がどの位置にどれくらいの時間滞在したかや、お互いの距離と移動スピードからいつ到着するかといった情報を知ることができる。
さらに、2人が同じ場所にいる場合、このアプリは二人が会っていることを記録し、履歴に保存する。このアプリの開発者によると、このアプリによって、友人や家族の居場所を知ることできたり、思い出を保存したり、離れているときにも簡単に連絡を取ることができるようになる。
ただし、これらの機能を利用することでZenlyは他人のストーキングアプリに悪用される可能性もある。このアプリを使用するためにユーザーは電話番号をアカウントに登録し、GPS機能をオンにして位置情報の使用を許可する必要がある。アンドロイド版のアプリでもユーザーはアプリをバックグランドで使用することを許可することが求められるので、アプリを開いていなくてもユーザーの位置情報がリアルタイムで更新される。
フートー省に住むトゥー・フエンさんは、自分がどこにいてもすぐにわかってしまうということに息苦しさを感じて、このアプリを削除したと話す。フエンさんはテトで帰省する前に彼氏から誘われてこのアプリをインストールした。当初の目的は、お互いが遠く離れていてもお互いの情報を共有することで安心するためだったそうだ。
「それ以降、私がどこにどれだけ滞在したかをアプリで見て、いちいち彼氏が質問してくるので1週間も経たないうちにアプリを削除しました。」とフエンさんは話す。
セキュリティの専門家は、Zenlyは簡単にインストールとアカウント作成ができるので、他人のデバイスに数分で設定することが可能だと警鐘を鳴らす。
TikTok上では、このアプリを使用して両親や恋人の位置情報を追跡したり、逆に親から隠れる方法を説明する動画が投稿されている。その中には200万回以上視聴され、数千件のコメントを集めた動画もある。またSNS上では、Zenlyのアカウントを公開して見知らぬ人と友達になるというグループも存在している。このアプリの性質上、アプリで友達になると相手の電話番号と位置情報を知ることができるようになる。
このアプリは、世界各国でプライバシー上問題があると繰り返し批判されている。アメリカの大手投稿サイトRedditでは、多くの人がZenlyを使用している人は、友達をあまり信用していなのでアプリを使用して追跡する必要があるように思えると意見している。
Zenlyは利用規約においてユーザーの情報を許可なく共有しないとしている。しかし、専門家はシステムのセキュリティが十分に強化されていなければ、ハッカーによって乗っ取られ、大量の個人データが抜き取られる危険性があると指摘している。実際、2014年にはSnapchat社がハッカーによって攻撃され460万人のユーザー情報と10万枚以上の写真が漏洩している。
シンガポールのTodayonlineサイトによると、Zenlyは、ユーザーインターフェースが優れており、学生を含めた多くの若者の支持を集めている。しかし、ユーザーの多くはプライバシーに関してあまり警戒していない人たちでもある。
Zenlyは2014年にフランスで生まれ、2017年にSnapchatに買収された。アンドロイド版だけでも、このアプリはこれまでに5000万回以上ダウンロードされている。Zenlyの主な機能はGPS、Wi-Fiまたは、モバイルネットワークによる位置情報共有機能だ。この位置情報共有機能は、Messenger、Google Maps、Zaloなど他の多くのアプリにも搭載されている。しかし、これらのアプリでは通常、位置情報の共有は時間制限があるが、Zenlyの場合は、常にリアルタイムで位置情報が共有され続ける。
出典:09/02/2022 VNEXPRESS
上記を参考に記事を翻訳・編集・制作