ファッションとスポーツウェア事業は今年の事業計画に含まれていないが、テーゾイジードンの経営陣は、12月にアパレル事業へ進出をする見込みだ。
週末の投資家との会合でテーゾイジードンのドアン・バン・ヒウ・エム社長は、携帯電話と通信機器の市場は、飽和状態で年間の成長率が10%程度にとどまっていると述べた。しかしながら同社では、社会隔離措置によって市場が淘汰されたことで、まだ成長の可能性は残されていると見ている。小規模事業者が撤退を余儀なくされたことで、大手企業が事業を上手く展開できれば、さらにシェアを伸ばせる可能性があるからだ。
エム社長は例として、先月上旬に社会隔離措置が緩和されてからのテーゾイジードンとディエンマイサングループの売上が10兆VND以上に達したとし、これは前年同期比50%増であるばかりか、旧正月の販売ピーク時よりも高いことを挙げた。同社では、これから年末にかけての2か月間に10月と同程度の売上を継続することは難しいとしながらも、第4四半期の売上は、社会隔離措置が適用されていた数か月間の損失を補える程の高水準で推移するとみている。
「年間125兆VNDの売上目標の達成は難しいですが、昨年比で3~5%の成長は維持できる見込みです。」とエム社長は話す。
エム社長は社会隔離措置緩和後の同社グループの急成長には4つの理由があると分析する。一つ目は、店舗再開のスピードだ。2つ目は、同社が社会隔離期間中も積極的に商品を発注してサプライヤーへ供給してきたために、社会隔離緩和後に競合他社が在庫不足となる中で、豊富な商品供給をおこなえたことだ。その他の2つの理由は、買えば買うほど得するという販売促進活動と購入した商品をすぐに使えるようにセッティングするサービスだ。
今後の携帯電話と通信機器マーケットの成長率停滞に備え、テーゾイジードンは、新たなビジネスモデルを取り入れるとエム社長は述べた。
「近い将来、これまで販売してきたものとは全く異なる商品を取り扱う予定です。」とエム社長は話したうえで、12月中にはファッションとスポーツウェアの小売チェーン事業を試験的に開始する可能性があると言及した。
エム社長は、COVID-19のパンデミックが収束した後で、ファッション事業には大きな成長可能性があると指摘する。同社では、外部の市場調査会社は利用していないが、自社で市場の規模、競合他社、リスク、成功可能性などを事前に検討している。同社では、シェアを獲得するためにスピーディーに店舗を展開したい考えだが、まずは一定期間営業をおこなって、効果を検証してからどの程度、店舗数を拡大させるかを決定するとしている。
エム社長によるとアパレル事業とその他の今年立ち上げたプロジェクトは、今年の経営計画には入っていなかった。しかし、COVID-19感染拡大によって多くの既存店舗が閉鎖したことを受け、今年の損害を最小限にし、来年以降の成長を継続させることを目的に経営陣が対応を検討した結果、新規の分野へ進出することになったと説明する。
以前、5月上旬にテーゾイジードンは、自転車とその付属品のウォーターボトル、ヘルメット、盗難防止ロックなどをディエンマイサンの店舗前で試験的に販売した。10月中旬には、同グループはアップル製品を専門に取り扱うTopZoneという店舗も展開した。同社は現在ベトナム国内のアップル製品販売で25%のシェアを占めており、さらにシェアを拡大するために、2022年第1四半期までに50~60店舗を新たにオープンさせることを目指している。
11月上旬にテーゾイジードングループは、店舗と倉庫間の配送を担うための物流企業を資本金1000億VNDで設立した。将来的にこの会社の資本を増資して、自社だけでなく外部のパートナーに物流サービスを提供していくことを目指している。
テーゾイジードンの今年の年間売り上げ目標は125兆VNDで、税引き後の利益は4兆7500億VNDを目指している。同社の2021年1月から9月までの9か月間の決算報告書によれば、売上高は86兆8200億VND、利益は3兆3380億VNDで計画の約70%に達している。ディエンマイサンが売上高の50.2%を占めてグループを牽引しており、その次がバックホアサンの26.1%で、テーゾイジードンが23.7%を占めている。
出典:13/11/2021 VNEXPRESS
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