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【新型コロナ 】インドで感染拡大が止まらない理由は?

(C)VNEXPRESS

COVID-19ウイルスのゲノム配列解析の遅れが、インドがCOVID-19 の変異型を発見して追跡することを難しくしている原因だと考えられる。

現在、インドは世界で第2位のCOVID-19感染拡大国で、これまでに約1500万人の感染が確認され、約17万9000人が死亡している。4月に入っても感染が拡大し続けており、4月19日には1日としては過去最高の26万1500人の感染者が確認された。検査の陽性率も高く、この日検査を受けた人のうち、6人に1人が陽性となった。十億人以上の人口を抱えるインドでの感染の急拡大の背景には変異型ウイルスの蔓延があると見られている。なかでも注意が必要なのは、E484Q変異型とL452 変異型の2重変異型であるB.1.617型の存在だ。この2重変異型は、従来型よりも感染力が強く、ワクチンの有効性を下げる可能性が高いとみられている。

アメリカのブロード研究所の開発したCOVID-19監視ツールCOVID-19 CGによると、インドのCOVID-19感染者についてのゲノム配列解析実施割合は、わずか0.05%でしかなく、世界134カ国中、85位となっている。他の国でのゲノム配列解析割合は、オーストラリアが47.4%、イギリスは7.7%、アメリカでも0.75%となっている。

ウイルスのゲノム配列解析は、COVID-19との戦いにおいて必要不可欠なツールだ。この解析をおろそかにした国は、ウイルスとの戦いに死角を作り、変異型を発見する前に蔓延させてしまう可能性がある。

3月にインドの保健省は、従来型よりも感染力が強いとされる、イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型、そしてB.1.617型のすべてを国内で確認したと発表した。スタンフォード大学臨床ウイルス研究所のベンジャミン・ピンスキー所長によると、この新たな変異型はアメリカのカリフォルニア州で蔓延しているのと同じウイルスだ。

インド政策開発実行センターのアミール・ウラー・カーン所長は、「わが国では、ゲノム配列解析についてのデータや議論が殆ど行われておらず、研究者は明確な情報が無い中で苦戦しています」と話す。

インドにはゲノム配列解析を行える研究所が10ヶ所存在する。遺伝子適合生物学研究所のアヌラグ・アグラワル所長によると、これらの分析機関では1ヶ月間に2万5000から3万件のゲノム配列解析が実施可能だ。以前、感染がまだそれほど拡大していないときは、それでも月に4000件の解析を行えば、変異型への対応としては十分であった。

アグラワル所長によると、現在インド政府は、感染が最も拡大しているエリアでのウイルスの変異状態を確認するために、ゲノム配列解析に取り組んでいる。プンジャブ州では、イギリス型が最も蔓延しており、マハラシュトラ州では、B.1.617型が蔓延しつつある。

インド政府の各研究所は、タイムラグが無い形で感染状況の警告を発するために、ゲノム解析能力の増強を計画している。「現在の状況では、ゲノム配列解析能力を増強する必要があり、状況が悪化すればさらに増やすことも必要です」とアグラワル所長は付け加えた。

一部の専門家は、インドでのゲノム配列解析は、すでに多くの人に感染が拡大した後で実施されていると指摘する。Theiagen Genomicsの創設者であるジョエル・セビンスキー氏は、感染者の最低でも10%以上に対してゲノム配列解析を実施しなければ、国はウイルスの変異型について十分な情報を得ることは出来ないと話す。

インドでは、ウイルスのゲノム配列解析を拡大しようとした際に、2020年のPCR検査拡大時と同じような問題に直面した。PCR検査の際も政府の規制が厳しすぎたために、民間から参加は殆どなかった。今回もゲノム配列解析を許可されているのは、政府の研究機関のみとなっており、同じ過ちを繰返していることは明白だ。

昨年、インド政府がCOVID-19との戦いに対する勝利宣言をした後、ゲノム配列解析を行っている研究室に陽性患者のサンプルを提供していた検査施設の多くが閉鎖されたとカーン博士は話す。
カーン博士によると、インド政府は、変異型の解析よりもワクチン接種の促進を優先させたが、これが、結果的に現在の感染拡大につながった。

「我々は、2020年と同じ過ちを繰り返しています。インドは、ウイルスのゲノム配列解析の出遅れによって多くの時間を浪費しました」とカーン氏は話す。

インド医学研究会議の感染症部門の元責任者であるラリット・カント博士は、インド国内の各州は、ゲノム配列解析のためにCovid-19陽性患者の少なくとも5%のサンプルを研究所に送るべきだが、現時点では、十分な量を提供できていないと指摘する。

アグラワル博士によると、各州からのサンプルの送付が十分に行えていない主な原因は、サンプル送付の為のネットワークが整備されていないからだという。サンプル送付の遅れは、早期対応のタイミングを逃し、公衆衛生に決定的な悪影響をもたらす可能性がある。また、変異型に関するデータ不足は、ワクチンの有効性評価にも悪影響を与えかねないとの声もある。

出典:20/04/2021 VNEXPRESS
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