国別のブランド選択において、日系ブランドと韓国系ブランドを求めるベトナム人の価値観に違いがあることはご存じだろうか? 今回は、2016年弊社自主調査(Asia Insight Research)300サンプルから、コスメティック製品における日韓ブランドの購入意向者を分析した。
今回の統計手法では、販売促進向けによく使われる「CHAID分析」を活用した。日系ブランド購入意向者と一番相関の高い価値観項目は、「結婚しなくてはならない」であった。この価値観を持つ人の中で、続いて相関の高い価値観項目は「プライベートは重要である」であり、その後続く項目として、「たくさんの物やお金がないと幸せではない」であった。
一方、韓国系ブランド購入意向者は全く異なっている。一番相関の高い価値観項目は「社会とのつながりを大事」。続いて「社会的信用」、その次は「性別としての女性」であった。
この差からみると、日系を好む女性は「結婚」、「プライベート」、「お金」が大切な、内向きで自分が大好きな人。韓国系の場合は「社会」、「信用」、「女性」と外向きで、他者やコミュニティとのつながりを重視しているようだ。
この結果から、日系ブランドなら”Make-up for Love”や”Make-up for Fun”のような、「自分へのご褒美」や「あなたはカワイイ」をイメージさせるのはどうだろうか? 一方、韓国系ブランドは”Make-up for better opportunity”や”Make-up for connection at work”のように「他者やコミュニティの中での美しさ」をアピールするとよいのではないか? 多様なライフスタイルが増えるベトナムでは、「価値観で斬る」マーケティングが差別化となりうるだろう。