ベトナムのライドシェア市場は、新規参入者により激動の変化を遂げています。今回はハノイとホーチミン市の合計300人のライドシェアユーザーを対象にした調査を基に、市場で急成長している「Xanh SM」について掘り下げていきます。
当社調査によると、都市部では週に一度以上ライドシェアサービスを利用する人が半数以上(52%)を占め、「予約の容易さ」や「車両の多様性」などから、従来のタクシーなどに比べて明らかな優位性を誇っています。
シェアの観点ではGrabが依然として支配的な地位を占め、「最もライドシェアで利用する」と回答したユーザーは56%ですが、Xanh SMは同回答で19%と急速に第2位に浮上しています。
昨年から車両を見かけるようになったXanh SMですが、過去1年間に52%のユーザーが利用し、19%が最も利用しているサービスとして挙げ、シェアではGrabに続いて2位に付けるまで成長しました。
特に満足度の高さは特筆すべきで、「ドライバーの専門性」と「車両の清潔さ」で競合他社を凌駕しています。
Xanh SMはフルタイムのドライバーを雇用し、VinFastの最新の電気自動車を使うことで差別化を図っていますが、市場へのインパクトという面では現状成功していると言えるでしょう。
とはいえ、現在の大きな投資が身を結ぶかというと、価格に非常に敏感なベトナム消費者の間でいかに利益を確保していくかが鍵になります。Grabも先日念願の黒字化を果たしましたが、Xanh SMは今後どのように収益の健全化を図っていくのでしょうか。