財務省は、正確な数字は公表しなかったが、100万VND未満の税金を滞納している納税者の数は非常に多く、そのほとんどが長期にわたっていると述べた。
先日、ホーチミン市税関局サイゴン港第4管区支局は、公安省出入国管理局に対して税金を滞納している一部企業の代表者の出国を停止するように要請した。その中に含まれていた化学関連企業の代表者は、99万7000VNDの税金を滞納しているとして直前で出国が認められなかった。
今年2月には、ホーチミン市の別の企業の代表者も、110万VNDの税金を滞納しているとして、出国停止処分を受けた。
財務省が6月1日に公表した5月の定例報告書では、このような事例は特殊なものではないとしている。実際、100万VND未満の税金を滞納している納税者の数は非常に多く、そのほとんどが長期にわたって滞納していると財務省は指摘する。
財務省によれば、出国の一時停止措置は、国民に対して法令を遵守し、国家予算に対する義務の履行を徹底させるための”厳しい措置”だ。
財務省によれば、税務当局は、事前に納税者の納税内容を確実かつ慎重に検証した上で、出入国管理局と納税者に通知を送ってから、出国の一時停止措置を適用している。財務省は、納税者に対して出国前に自分の納税状況をシステムを通じて自主的に確認することを推奨している。
出国とは、ベトナムの領土から国境を超えて外国へ移動することを指す。出国禁止または、出国の一時停止は、必要な場合に所轄の公官庁の文書または、決定に基づいて海外渡航を制限する措置だ。
2019年の税務管理法及び、2020年の議定126号により、税務機関の長は、納税義務を果たしていない個人及び、企業代表者の出国を一時的に停止する権限を有している。ただし、これらの法令では、出国停止措置に該当する具体的な税金の滞納額を規定していない。
実際、出国の一時停止措置が適用される前には、滞納期間が90日未満の場合、税務署の職員が電話、テキストメッセージ、メールを通じて滞納している税金の納税を要請する。一方で、滞納期間が90日を超えていたり、悪質性が高いと判断された場合は、即座に出国の一時停止措置が適用され、税金徴収のために情報が公開される。
一部の専門家は、税務署が税金を滞納している人の出国を一時停止する措置は法令に準拠したものであるが、税務署が税金を滞納している人に対して事前にあらゆる手段を尽くして税金の滞納を警告しているかという点に疑問を呈している。
財務省は最近の発表で税務管理法を引用して、税金を30日以上滞納した場合、所轄の期間は納税者に対して納税額と滞納期間を通知しなければならないと述べた。納税者は銀行の保証があれば、滞納した税金を分割で収めることも出来る。
「税務当局は、税金の滞納に気づいていない人に対しては速やかに納税するように注意喚起し、困難な状況にある企業に対しては分割での納税を提案しています」と財務省は述べている。
税務当局による出国の一時停止措置は、最近になって増加傾向にある。これは、税務当局が国家予算の未払い債務を回収するための一つの方法である。2023年に税務当局が回収した滞納された税金は、45兆9590億VNDに達した。2023年末までに税務当局が把握している滞納納税額は163兆8660億VNDとなり、前年から10.9%増加している。
今年に入ってから政府と首相は、12月31日までに国家予算の歳入に対する滞納納税額の割合が8%を超えないようにするために、税金の回収作業に緊急に取り組むよう関係機関に指示していた。
出典:2024/06/01 VNEXPRESS提供
上記記事を許可を得て翻訳・編集して掲載