前回に引き続き、今回は職場のマネジメント視点で掘り下げていきます。
①日本人は村長の役割を演じる。ベトナム人は大組織よりスモールコミュニティへの帰属意識が強く、自分への理解や関心がモチベーションの根幹となる人が多いです。つまり、文化の異なる異邦人より「相談に乗ってくれる身近な村長」の下で働きたい思いが強い。まずはベトナムの文化や歴史への興味・関心が、求心力に大きく寄与すると思ってください。
②道義より「Vui」を活かした職場風土。ベトナムでは「皆で楽しく」という価値観が強く、これは職場でも変わりません。ここで登場するのが「Vui」というキーワードで、日本語で「楽しい」や「喜び」という意味です。定期的なイベント、特にスタッフのお祝いごとを皆で共有することで、コミュニティへの帰属意識は強く醸成されます。
③行間の理解を期待せず、テキスト+デジタルベースで連絡。片目で優しくする一方、片目は常に厳しく目を光らせておく必要があります。マネジメントにはネガティブな局面もあるので、互いに期待の齟齬が起こらないように、ペナルティ条件の設定や日々のやり取りはデジタルかつテキストでのコミュニケーションを基本としましょう。上述の2つでは「陽」の話が多くなりましたが、同時に「陰」の部分にも粛々と備えておく必要があります。
やや概念的な話が多くなり、具体性に欠くとのご指摘もあろうかと思います。皆様からの忌憚ないご意見やご質問などいただけましたら筆を執った者として幸いです。お気軽にご連絡ください。