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早わかり!ベトナム法律事情 Vol.77
「台風が来る!」とSNSでライブ配信
ベトナムの気象水文法

―― 最近FacebookやTikTok等のSNS上では、台風のニュースばかりでしたね。私は時々天気予報のライブストリーミングも見ていました。

チー 今年の台風シーズンは大変でした。天気予報ライブストリーミングとは、SNSのライブ配信で天気予報を行うことですか?

―― はい。例えば、ライブ配信者が無料の天気予報アプリを映しながら、視聴者から予報を求められた一定の地域について、「明日は土砂降りです!ご注意ください!」などと話しながら天気を予報していました。

チー なるほど。私もそのような天気予報ライブストリーミングを見かけたことがあります。ただ、配信者が必要な許可を取得していない場合、個人であれば3000万VND(約18万円)までの罰金、組織であればその2倍に相当する罰金を科される可能性があります。

―― SNSで天気予報を行うために、当局から許可を取得する必要があるということでしょうか。

チー そうです。具体的には、天気予報ライブストリーミングは「気象または水文の予測・警報」に該当するとされています。そのため、ベトナムの気象水文法上、SNSなどの天気予報に関するニュース配信の手段を問わず、気象または水文の予報・警報を行うに当たっては、所定の要件に従って当局からの許可を取得しなければならないと定められています。そのため、許可が必要になる可能性があります。

―― なるほど。ベトナムの天気予報に関する規定は厳しいですね。台風が大変な時期なので、視聴者を増やして注目を集めたい配信者は少なくないと思いますが、気を付けるようにします。

Duong Thi Huynh Chi ユオン・ティ・フィン・チー
長島・大野・常松法律事務所ホーチミン・オフィスに勤務するベトナム弁護士。2018年ホーチミン市法科大学卒業。現在はベトナム弁護士として日系企業に法的アドバイスを提供している。