建設省は国会に対して、「住宅価格は実態を反映しておらず、多くの国民の支払い能力と釣り合っていない」という報告書を今さらながら提出した。
値上がりを続ける不動産価格
実際、少なくない人が不動産購入によって裕福になったかもしれないが、大多数の一般市民はいつまでたっても自分の家を購入できないだろうと感じている。
ホーチミン市では、ミドルレンジのアパートの購入価格は4000万~4500万VND/m2となっており、現在のベトナムの一人当たりの平均年収6400万VNDと比較した場合、全く釣り合いがとれていない。
さらに奇妙なことに、今年1~9月のCOVID-19の感染拡大にもかかわらず、不動産価格は上昇し続けている。
不動産業界はこれまで、不動産価格の上昇は供給不足によるものと説明してきたが、需要が大幅に減少したにもかかわらず不動産価格が上昇し続けていることは大きな矛盾だ。
現在の不動産マーケットには、既に不動産を所有しているがビジネスのためにさらに購入するグループと、不動産投機を目的に購入するグループの、2つの主要な投資家グループが存在している。
不動産市場は市場原理に基づいて動いているが、政府は税と信用の操作によってこの活動を規制することが可能である。しかし、実際にはあまり効果が出ていない。
現在、住宅を販売した場合に支払う税金は、政府の定めた地価に基づいて計算するため、実際の不動産価格の30~50%でしか算定されないことは誰もが知っている事実だ。
また、不動産売却時の個人所得税も、長年居住していた住宅でも転売目的で短期所有した住宅の販売でも、同じ税率が課せられる。
これまでにより強力で高い税制が提案されたこともあるが、多くの人々は過剰な対応で、不動産市場が冷え込んでしまうことを心配している。
しかし、何らかの対策をしなければ、投機目的で不動産を購入する投資家は増え続け、一般庶民が自分の家を購入できるチャンスはますます減少するだろう。
課税で不動産バブルを抑制
不動産バブルを抑制するための方策を考えてみよう。例えば政府は、短期間の不動産売買に高額の税金を課すことができる。投資家が住宅購入から1年以内、または3年以内に売却した場合に、非常に高い税金をかけることで、投機目的の不動産売買を抑制して、不動産バブルを抑えることができるようになる。
他の不動産バブル抑制策としては財産税がある。これは既に不動産を所有している人がさらに購入した場合、毎年財産税を払わなければならないというものだ。
財務省は既にこの財産税を検討しているとされるが、現段階ではまだ紙ベースの話でしかない。
政府が不動産市場を信用と税金で規制することを躊躇している間にも、大多数の人々は、自分の家を持つという夢の実現に苦しんでいる。
不動産市場が現在の税制を維持し続ける限り、不動産市場の「一人が笑い、九人が泣く」という話は変わらないだろう。
この記事へのベトナム人読者のコメント
・素晴らしい記事。
・完全に同意。
・居住目的以外の不動産所有には高い税金をかけるべき。
・誰だってホーチミン市内や近郊の住宅を購入したいが、実際には非常に難しい。ホーチミン市から100㎞離れたタイニン省やティエンザン省ならまだ安く購入できるけど。
・100㎞も離れたら毎日3~4時間かけて通勤して、8時間働いたら一日のほとんどの時間が失われてしまうよ。
・その通りだと思う。例えば月収2000万VNDといったらかなりの高収入だと思うけど、それでも家は買えないでしょ。
・家は人々の平和で勤勉な生活の基盤として存在すべきです。だから、複数の不動産を所有している人には、高い税金をかけるべきです。
・市場経済とはそういうもので、政府が規制するべきではない。家が欲しい人には低価格の住宅を供給したり、低金利のローンをサポートした方がいい。お金のない人が高級住宅に住めないのは当たり前。
出典: 26/10/2020 BAO TUOI TRE
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