「現金王」へ──資産規模が1000兆VNDに迫る
ベトナム最大手の民間企業ビングループ(Vingroup)は、2025年上半期における財務報告を発表し、総資産が964兆4,380億VND(約5.4兆円)に達したことを明らかにした。前年比で15%増と過去最高を記録し、資産1000兆VND(約5.6兆円)突破も視野に入った。
特筆すべきは、現金残高が史上最高の82.3兆VNDを突破した点である。
現金残高、初の80兆VND超え
財務報告によれば、現金及び現金同等物の残高は74兆7600億VNDあり、加えて、3か月超〜1年未満の定期預金も7兆5900億VNDに上り、**合計で82兆3500億VND(約4,600億円)に達した。
この豊富な資金力が、全体の資産増加を後押ししたとみられる。
銀行を除く企業では異例の規模
ベトナム国内で資産総額が1000兆VNDを超える企業は、現在約10社あり、そのほとんどが大手銀行グループである。その中でVingroupは、国営のペトロベトナム(Petrovietnam)に次いで、非金融企業として2番目の「1000兆VNDクラブ」入りの可能性が高まっている。
主力収益源が「不動産」から「製造業」へ
2025年第2四半期の売上高は46兆3250億VND(約2,600億円)で、前年同期比9%増加した。注目すべきは、主力事業が変化している点である。今回の内訳では、製造業の売上が17兆2490億VNDだったのに対して、不動産事業の売上は15兆2080億VNDとなり、従来の屋台骨であった不動産売上を初めて製造業売上が上回る構図となった。
利益は3倍増、異例のその他収入も
そのほか、同社は18兆5160億VNDの一時的なその他収入も計上しており、これが利益に寄与した。第2四半期の税引き後利益は2兆2660億VNDで、前年同期比3倍超となっている。
半期で売上130兆VND超、利益は2.2倍増
2025年上半期の累計売上は130兆3820億VND(前年同期比2倍)となり、税引き後の利益も4兆5080億VNDで前年比2.19倍増を記録した。
とくに不動産分野は、上半期の売上の50%以上となる約70兆VNDを計上し、前年同期比167%増と著しい回復を見せている。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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