年10%成長なら2045年に2万7,000USD超
ベトナムが2026~2045年の20年間にわたり、年平均10%の経済成長を維持できた場合、2045年の1人当たり所得は2万7,000USDを超える可能性がある。専門家の経済シミュレーションでは、より控えめな成長シナリオでも高所得国の基準を上回るとの見方が示されている。
2025年時点で中所得上位国入り
2025年のベトナムのGDP成長率は8.02%と推計され、世界でも上位水準に入った。2021~2025年の平均成長率は年6.3%で、前期を上回る。
統計総局によると、2025年の名目GDPは約5,140億USDに達し、前年から380億USD増加した。
1人当たりGDPは約5,026USDと推計され、2020年比で約1.4倍に拡大し、中所得上位国の仲間入りを果たした。
2045年「高所得国」目標を明確化
2026年以降、国会は年10%超のGDP成長を目標に掲げている。ベトナムは2045年までに高所得国へ移行する方針を明確にしており、トー・ラム書記長は「国が豊かになるなら、その成果は国民全体が享受しなければならない」と繰り返し強調している。
成長の数字だけでなく、生活水準の実質的な向上が重視されている。
高所得国の基準と成長シナリオ
専門家によると、2045年時点の高所得国の基準は約2万2,200USDと見込まれる。
人口増加率を年0.99%と仮定し、2026~2030年に年10%前後、2031~2045年に年8%程度の成長を維持した場合でも、2045年の1人当たりGDPは約2万2,991USDに達し、高所得国の基準を超えると試算されている。
より強気のシナリオでは、20年間年10%成長を維持すれば2万7,000USD超が視野に入る。
生産性格差という「基礎問題」
一方、購買力平価(PPP)ベースでみると、2023年時点のベトナムの労働生産性は、シンガポールの11.2%、韓国の27%、日本の28.6%、マレーシアの36.2%、タイの約65%にとどまる。
この生産性格差こそが、高所得国入りを目指す上での最大の課題とされる。
追い上げ余地は大きい
もっとも、ベトナムの生産性成長率はアジアでも高水準にある。2016~2023年の平均は年5.6%で、シンガポールやマレーシア、タイを上回った。
技術革新、国産化率の向上、全要素生産性(TFP)の寄与拡大へ重点を移せば、「追いつく余地は十分にある」との見方が強い。
「基盤整備」から「実質所得創出」へ
経済専門家のチャン・アイン・トゥン氏(ホーチミン市経済・金融大学)は、新時代で最も重要なのは「基盤づくり」から「実質的な所得創出」への転換速度だと指摘する。
2045年までの20年間は、安定ではなく、1人当たり実質所得と労働生産性の上昇で評価されるべきだとする。
成長率だけでは所得は伸びない
現在のベトナムの1人当たりGDPは約4,300~4,500USDとされる。世界銀行基準で高所得国となるには、2045年までに1万3,000USD超が必要で、約3倍の増加に相当する。
これは20年間にわたり、1人当たりGDPが年6%以上で成長し続けることを意味する。
全体のGDP成長が6.5~7%にとどまり、生産性が改善しなければ、国民所得は期待ほど伸びないという。
社会安定と投資効率が鍵
トゥン氏は、移行期における社会の安定が最優先課題だと指摘する。中間層や都市労働者の所得が物価上昇に追いつかなければ、社会的信頼が損なわれ、長期成長の最大のリスクとなる。
また、資本投入型成長から効率重視型成長への転換が不可欠であり、「高投資・低効率」の罠に陥る危険性を警告している。
国内企業の生産性向上が不可欠
現在、ベトナムの生産性はタイの約60%、マレーシアの40%未満にとどまる。国内民間企業の底上げが進まなければ、成長は外資依存となり、所得上昇はGDP成長に追いつかないと指摘されている。
科学技術と制度改革が成長の原動力
ドー・フー・チャン・ティン准教授(ホーチミン市国家大学政策開発研究所)は、科学技術、イノベーション、DXを軸とした成長モデルへの転換が不可欠だと強調する。
これらはTFPを直接押し上げ、付加価値の高い産業構造への転換と、資源効率・環境負荷低減を同時に実現するとされる。
制度改革が「成長の土台」に
特に、科学技術・イノベーション・DXを推進する政治局決議57号と、法制度改革を掲げる決議66号の実行が重要視されている。
明確で一貫した法執行、低い遵法コスト、法的リスクの低減が、社会全体の資源を解放し、持続的な高成長を支える基盤になるという。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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