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ホーチミン中心部に残る「1泊4万VND」の行商人集落

深夜にもかかわらずエガをお見せるホーチミン市内の行商人の女性
(C)THANH NIEN

旧正月前夜も夜通し働く行商人たちの現実

ホーチミン市中心部には現在も、1泊4万VNDで「寝る場所を買う」行商人の集落が存在している。旧正月(テト)を目前に控えた夜、旧ビンディン省(現ザライ省)出身の行商人たちは、市内各地で夜通し生計を立てている。

深夜1時、中心部に集う行商人たち

1月2日午前1時、市中心部の交通量が減り始めた時間帯、旧1区(現ベンタイン街区)のグエンチャイ通りのコン・クイン交差点付近の街灯の下には、約10人の行商人が天秤棒と商品を抱え、身を寄せ合うように座っていた。

彼らの多くは旧ビンディン省ホアイニョン出身で、若い頃に連れ立ってホーチミン市へ移り住み、「働き口を探す」ために行商を始めた人々である。

20年以上、天秤棒で子どもを育てる

行商の列の中で、赤い服を着た女性が、ライスペーパー、えびせん、チェー、ネムなどを並べて座っていた。客足はまばらで、何度もあくびをしている。声をかけると、女性は穏やかな笑顔で、ボー・ティ・リエン(53歳、旧ビンディン省出身)と名乗った。

リエンさんはホーチミン市に来た正確な年を覚えていないが、20年以上前であることは確かだという。その間、街は大きく変貌した。

子どもは3人おり、現在はいずれも安定した職に就いている。それでも、南部に出稼ぎに来た当初の記憶は鮮明だ。

「肩に担いだ天秤棒一本で、路地という路地を歩き回り、その日暮らしで子どもを育ててきた」と、声を落として語る。

この日の売れ行きについて尋ねると、「あまり売れていない。午前1時を過ぎてみないと分からない」と首を振った。商品をすべて売り切って初めて利益になるという。

なぜ故郷へ戻らないのかと問うと、「歩けなくなるまで働くつもり。今のうちに少しでも貯めて、老後に子どもに迷惑をかけたくない」と答えた。

2026年のテトは旧暦12月20日に帰郷する予定だという。通常は数十万VNDのバス運賃も、その時期には100万VNDに跳ね上がり、直前になると売り上げでは賄えなくなるためだ。

「1泊4万ドン」の“買って寝る”集落

リエンさんによると、グエンチャイ通り、グエンバンクー通り、旧3区周辺で行商をしている人々は同郷の仲間で、オンラン橋近くの共同宿舎に集団で暮らしている。

このため、この一帯は「行商集落」「ビンディン集落」、あるいは旧ビンディン省のナンバープレートにちなみ「77集落」とも呼ばれている。

午前2時ごろ、行商人たちは人気のなくなった街を抜け、ブイビエン通りから約400mのコーザン通り17番路地へと徒歩で戻っていった。

電気・水道込み、1日4万VND

共同宿舎で出迎えたのは、大家のソンさんである。

「ここは日割り貸しで、1人4万VND。電気と水道代込みで、半月ごとに精算する」

宿舎には現在約30人が暮らしており、全員が行商を生業としている。朝8時ごろに街へ出て、深夜に戻る生活が日常だ。

約100平方メートルの建物は細かく区切られ、1階には天秤棒や籠が積み上げられている。2階は寝室で、床に敷かれたゴザの上に人々が隙間なく横たわる。壁際には衣類が吊るされ、長い夜を終えた行商人たちの仮の住まいとなっている。

体が動く限り、この仕事を続ける

2月3日夕方、旧3区のグエンバンクー通りで、サウさん(65歳、旧ビンディン省出身)に話を聞いた。

数日前までの夜勤続きで目の下には深いクマがあるが、客には明るく声をかけていた。サウさんは取引先から無償の帰省バス券をもらい、旧暦12月26日に帰郷する予定だという。

「毎年、無料のバスで帰る。少しでも節約しないと」

テトの過ごし方は簡素だ。贈り物もなく、家族と顔を合わせられれば十分だという。年明けに子どもから数百万VNDのお年玉をもらうと、それだけで心が温まると話す。

毎日約50kgの商品を担ぎ、オンラン橋からグエンバンクー通りまで歩く。夜は飲食店を回り、午後11時近くに再び徒歩で宿へ戻る。

バイクタクシーを使わない理由を尋ねると、「30分歩けば着く。1回3万VNDも払えない」と笑った。近年は売れ行きも鈍く、収入は食費と宿代でほぼ消えるという。

2人の子どもはすでに家庭を持っているが、帰郷して隠居する考えはない。

「子どもには子どもの暮らしがある。自分のことは自分で」

春の気配に包まれるホーチミン市の中心で、ビンディン集落は今夜も静かに夜を越す。彼らにとってのテトは、束の間の団らんを終え、再び天秤棒とともに街へ戻るまでの短い休息に過ぎない。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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