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ベトナムでガソリン不足騒動 供給は「十分」でも販売制限が広がる理由

現有価格の高騰で売り控えが進むベトナムのガソリンスタンド
(C)THANH NIEN

ベトナムで燃料市場が混乱

ベトナム各地でガソリンスタンドの販売停止や給油制限が相次ぎ、燃料市場に混乱が広がっている。ハノイでは複数の店舗が「売り切れ」を掲示して営業を停止し、南部でも供給が断続的となるなど、実質的な品薄状態が発生している。

一方で、ベトナム商工省は、3月の国内燃料供給は「基本的に確保されている」と説明しており、実際の供給量と市場の状況との間に大きなギャップが生じている。

小売店「売るほど赤字」

世界価格との差が拡大

ドンナイ省の燃料販売会社の営業責任者によれば、在庫自体は倉庫や輸送中のタンカーを含め月末まで供給可能な量があるという。

しかし問題は価格である。
国内販売価格より輸入価格の方が高く、販売すればするほど損失が拡大する構造になっている。

このため卸業者は小売店への供給量を抑え、契約数量の範囲内でしか販売しない状況が続いている。

給油制限や買いだめ対策も

供給は通常の2割程度

同社は8店舗を運営しており、通常は1日40〜50m³を販売する。しかし3月6日は、倉庫から供給されたのはわずか11m³で、通常の20〜25%程度にとどまった。

在庫が限られるなかで、燃料を買いだめする客も増えている。

そのため店舗では、備蓄目的の購入を防ぐため、

  • 携行缶
  • ドラム缶

などへの給油は行わないとの張り紙を掲示し、販売を制限している。来店客は通常より30〜40%増加しているという。

各地で給油制限が拡大

同様の状況は全国で報告されている。

ラムドン省では、燃料販売会社が通常1週間に9万5,000リットルを仕入れるところ、

  • 先週:3.5台分(約6万6,000リットル)
  • 今週:1台分(約1万9,000リットル)

まで減少した。

そのため店舗では給油量を制限し、

  • 自動車:1回30万〜50万ドンまで
  • 満タン給油は不可

という措置を取っている。

また、

  • カントー市:卸業者から供給なし
  • ビンロン市:入荷待ち
  • ファンラン市:3月4日から販売停止

といった事例も報告されている。

ハノイでは、燃料販売会社のIndel Investment and Development JSCが、供給や販売マージンが改善しなければ系列スタンドの営業停止を検討していると当局に通知した。

政府「供給は確保」

政府によれば、国内供給は維持されている。

国内では

  • ペトロベトナム
  • ズンクワット製油所
  • ギソン製油所

などが通常稼働しており、契約に基づく供給は継続されているとしている。

また、国内原油生産は1日約18万バレルで、このうち約15万バレルが精製所に供給されている。

世界価格との差が最大1万ドン

しかし輸入燃料価格は国内販売価格を大きく上回っている。

3月6日時点の試算では、

種類国内価格との差
ガソリン約3,200〜3,700ドン/ℓ
ディーゼル約7,000ドン/ℓ
灯油約12,000ドン/ℓ

となっており、輸入価格が国内価格より最大1万ドン以上高い状態となっている。

このため卸業者は「販売量を増やすほど赤字が拡大する」として供給を抑えている。

専門家「価格調整を柔軟に」

国会議員で経済学者のチャン・ホアン・ガン氏は、燃料価格の調整周期を短縮する必要があると指摘する。

現在の制度では週単位で価格調整が行われるが、世界価格が急騰する局面では市場との乖離が拡大するためだ。

また、

  • 環境税
  • 付加価値税(VAT)
  • 特別消費税
  • 輸入税

などの減税を活用し、国内価格の安定を最優先すべきだと提言している。

世界のエネルギー市場は中東情勢などの影響で不安定な状態が続いており、ベトナムの燃料市場でも当面は供給と価格のバランスを巡る不透明感が続くとみられる。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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