ベトナムのレ・ミン・フン首相は13日、政府庁舎で着任したばかりのジェニファー・ウィックス駐ベトナム米国大使と会談し、両国間の「相互的で公平かつ均衡の取れた貿易協定」の早期締結に向けて交渉を加速させることで一致した。両国は経済・投資分野に加え、安全保障や科学技術など幅広い分野で協力を強化する方針を確認した。
ベトナム「米国は最重要パートナーの一つ」
レ・ミン・フン首相は、ベトナムが一貫して米国を最も重要なパートナーの一つと位置付けていると強調した。
また、米国が地域および国際社会の平和と安定、繁栄に積極的な役割を果たすことを支持するとともに、包括的戦略パートナーシップをさらに高い段階へ発展させ、両国国民の利益につなげたい考えを示した。
さらに、高官級交流の活発化や、双方の省庁・地方政府との連携を通じて具体的な協力案件を推進するとともに、意見の相違については相互尊重の精神の下で率直に協議し、二国間関係全体に悪影響を及ぼさないよう求めた。
相互関税協定の早期締結を要請
経済・貿易分野について首相は、双方に利益をもたらす持続可能な協力関係を構築する必要があると指摘した。
その上で、現在残されている課題を早期に解決し、相互的・公平・均衡を原則とした貿易協定を早期に妥結・締結することが重要であると強調した。
協定が締結されれば、両国企業にとって安定した事業環境が整備され、投資や生産活動の拡大につながるとの期待を示している。
また、ベトナム政府は行政手続きの改革や法制度の透明化・近代化を進めており、米国企業がより投資しやすい環境づくりを推進していると説明した。
安全保障やデジタル分野でも協力拡大
フン首相は、防衛・安全保障分野では法執行、人道支援、サイバーセキュリティ、国際犯罪対策での協力強化を提案した。
さらに、戦争被害の克服について米国の支援に謝意を示し、
- ダイオキシン汚染地域の浄化
- 不発弾・地雷の除去
- 障がい者支援
- 戦没者遺骨の身元確認に向けたDNA鑑定技術や資料の提供
などへの継続支援を要請した。
あわせて、科学技術、イノベーション、人材育成、デジタル化、教育、人的交流など新たな成長分野での協力拡大にも期待を示した。
米国大使「トランプ政権の優先課題に沿って協力」
ジェニファー・ウィックス駐ベトナム米国大使は、米国がベトナムとの関係を重視していると述べ、ドナルド・トランプ大統領およびマルコ・ルビオ国務長官からの「ベトナムのパートナーであることを誇りに思う」とのメッセージを伝達した。
また、自身の任期中はトランプ政権の優先政策に沿いながらも、両国共通の利益を反映した協力を推進していく考えを示した。
特に経済・貿易協力を最優先課題に位置付け、高い水準の相互貿易協定を早期に実現することで、双方に新たな投資・ビジネス機会を創出したいと述べた。
さらに、ベトナム政府による投資環境改善への取り組みを評価し、具体的な協力プロジェクトの推進や残された課題の解決に向けて緊密に連携する姿勢を示した。
防衛・安全保障分野では、海洋安全保障や法執行協力など、さらなる協力の余地が大きいとの認識を示している。
また、戦争被害の克服は両国関係の重要な人道的基盤であると位置付け、ダイオキシン除染、不発弾除去、障がい者支援、ベトナム戦没者の身元確認や米軍行方不明兵士の遺骨送還などの協力を引き続き推進する方針を表明した。
ベトナムと米国は近年、包括的戦略パートナーシップの下で経済・安全保障・科学技術など多方面で関係を深化させている。今回、相互関税協定の早期締結に向けた方針が改めて確認されたことで、今後の交渉の進展が両国企業の投資環境やサプライチェーンにどのような影響を与えるのか注目される。



















