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ベトナム、SNSの虚偽情報に最大5000万ドンの罰金 TikTokやライブ配信も対象

SNSに虚偽・歪曲された情報を掲載したとして罰金処分を受けたTikToker
(C)THANH NIEN

ベトナムでは、TikTokやライブ配信などSNS上で虚偽情報を発信したり、他人の名誉・人格を傷つけたりする行為に対する取り締まりが強化されている。

2026年7月1日から施行された政令174号では、虚偽・捏造情報や誹謗中傷などについて、違反の内容や影響に応じて行政処分の対象となる。特に、社会に混乱を招く虚偽情報の提供・共有については、個人に対して最大5000万VNDの罰金が科される可能性がある。

過去にも、SNSで発信した内容をめぐりインフルエンサーやTikTokerが処分される事例が相次いでいる。

ライブ配信で最大3750万VNDの処分

その代表例の一つが、モデルで歌手のN.E氏である。

N.E氏は2024年3月、ホーチミン市情報通信局から、ライブ配信で社会に混乱を招く情報を提供したことなどを理由に3750万VNDの行政処分を受けた。

当局は、社会に不安や混乱を招く情報を提供したことに加え、著名人や民族の英雄を侮辱する情報を提供した行為について、刑事責任を問うまでには至らないものの、行政処分の対象になると判断した。

N.E氏はSNS上に多数のフォロワーを持っていたため、ライブ配信での発言が短時間で広範囲に拡散する可能性があった。

本人はその後、過去の発言や行動を振り返り、失敗や経験を通じて成長したと語っている。

TikTok動画をめぐり750万VNDの罰金

2024年には、TikToker「ニャット・ハイ・ビエット・トゥオット」も処分を受けた。

同アカウントを管理するN.N.H氏は、虚偽や歪曲、中傷に当たる情報を提供・投稿し、機関や組織の信用、個人の名誉や人格を傷つけたとして750万VNDの罰金を科された。

問題となったのは、ホーチミン市の文化や治安状況について、一面的な評価を行ったTikTok動画である。

SNS上で大きな影響力を持つアカウントによる発信は、投稿者個人の意見にとどまらず、多数の利用者に広がることで社会的な影響を生じる可能性がある。当局はこうした点も踏まえて取り締まりを行っている。

「地域差別」動画で875万VNDの処分

2026年には、TikToker「クエオイザイディー」をめぐる問題も発生した。

同アカウントは、ベトナム国内の地域ごとの住民を比較・評価する内容の動画を投稿。フートー省警察によると、動画には各地域の住民に対する一面的な発言が含まれ、地域間の分断を招いたり、SNS利用者を扇動したりする兆候があったという。

動画は数百万回再生され、数万件のコメントやシェアを集めるなど、大きな反響を呼んだ。

アカウント管理者のファン・チュン・クエ氏(31)は、注目を集めてアクセスや反応を増やし、自身のSNSページを成長させる目的で、虚偽・歪曲された情報を含む動画を投稿したことを認めた。

フートー省警察は、SNS上で虚偽・歪曲情報を提供したとして、政令15号に基づき875万VNDの行政処分を科した。

フォロワーや再生数が多いほど社会的影響も拡大

これらの事例に共通するのは、投稿者が多数の利用者に情報を届けられるSNSアカウントを保有・管理していたことである。

SNS上での影響力は、単に投稿者の知名度だけで決まるものではない。フォロワー数、動画の再生数、コメント、シェアなどによって、一つの投稿が短時間で数十万人、数百万人に届くこともある。

そのため、影響力の大きいアカウントによる投稿は、単なる個人的な発言として扱われず、社会的な影響を伴う行為として、法的責任を問われる可能性がある。

2026年7月から虚偽情報への罰則を明確化

ベトナムのグエン・バン・ハウ弁護士によると、SNS利用に関する規定に違反した場合、内容や程度に応じて行政処分だけでなく刑事責任を問われる可能性もある。

2026年7月1日から施行された政令174号第95条では、偽造情報、虚偽情報、歪曲された情報、中傷、機関・組織の信用や個人の名誉・人格を傷つける情報を提供・共有した場合、組織に対して2000万~3000万VNDの罰金が定められている。

さらに、社会に混乱を招く虚偽情報を提供・共有し、刑事責任を問うまでには至らない場合、3000万~5000万VNDの罰金が科される可能性がある。

つまり、SNS上で虚偽情報を拡散し、社会的な混乱を引き起こした場合、最大5000万VNDの行政処分を受ける可能性がある。

悪質なケースは刑事責任の対象にも

さらに、行為の結果が重大な場合には刑事責任を問われる可能性もある。

他人の名誉や人格を著しく侮辱した場合、刑法第155条の「他人を侮辱する罪」に該当する可能性があり、ネット上での行為についても刑事処分の対象となり得る。

また、虚偽であることを認識しながら事実を捏造・流布し、他人の名誉や人格を傷つけたり、正当な権利・利益を侵害したりした場合には、刑法第156条の「中傷罪」に問われる可能性がある。同罪の刑罰は最長7年の懲役となる場合がある。

さらに、国家や組織、個人の正当な権利・利益を侵害する目的で民主的自由を悪用した場合には、刑法第331条が適用される可能性があり、こちらも最長7年の懲役が定められている。

投稿削除やアカウント停止、損害賠償の可能性も

行政処分では罰金だけでなく、違反した虚偽情報や誤解を招く情報の削除を命じられる場合がある。

また、違反内容によっては、アカウントやコミュニティページ、コミュニティグループ、コンテンツチャンネルの停止措置が取られる可能性もある。

さらに、虚偽の発言によって他人や組織に精神的・経済的損害、名誉や信用の毀損が生じた場合には、民事上の損害賠償責任を負う可能性もある。

SNSでは、短時間で多くの人に情報を届けられる一方、投稿後に内容を完全にコントロールすることは難しい。ベトナムでは、TikTokやライブ配信を含むSNS上の発信についても、内容によっては行政処分だけでなく刑事・民事上の責任につながる可能性があり、利用者にはより慎重な情報発信が求められている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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