ベトナムとロシアは、長年にわたって築いてきた戦略的関係を基盤に、経済やエネルギー、教育などの従来分野に加え、鉄道、宇宙、科学技術、デジタル技術など新たな分野で協力を拡大する方針である。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の招待によるロシアへの公式訪問を前に、ベトナム共産党のトー・ラム書記長兼国家主席がロシア国営通信社TASSのインタビューに応じ、両国関係の今後の方向性について語った。
ロシアとの関係を「外交政策の重要な選択」と位置付け
トー・ラム書記長兼国家主席は、ベトナムが今後も独立、自主、自立を基本とした外交政策を維持し、多国間化・多様化を進めると説明した。
その中でもロシアとの「包括的な戦略的パートナーシップ」は、ベトナム外交における最重要分野の一つであり、「戦略的な選択」であるとの認識を示した。
両国関係の背景には、75年以上にわたって培われてきた伝統的な友好関係と政治的信頼がある。ベトナム側は、旧ソ連時代からロシアがベトナムの独立や国家建設を支援してきたことを評価しており、こうした歴史的なつながりが現在の両国関係を支える重要な基盤になっている。
協力分野を鉄道・宇宙・デジタルへ拡大
今後の両国関係についてトー・ラム書記長は、従来の協力分野を維持するだけでなく、より幅広い分野へ協力を拡大する必要があると指摘した。
教育・人材育成、エネルギー、文化・芸術などは、今後も強化すべき伝統的な協力分野と位置付ける。
一方、新たな重点分野として、海運、鉄道、宇宙、科学技術、イノベーション、デジタル技術などを挙げた。
特に、ロシアが持つ技術や経験と、ベトナムの成長力を組み合わせることで、両国にとって新たな協力機会を生み出せるとの考えを示した。
ベトナムは現在、経済成長と産業高度化を進めており、科学技術やデジタル分野での国際協力を拡大している。ロシアとの関係も、従来型のエネルギーや教育協力から、より高度な技術分野へ広げようとしていることがうかがえる。
歴史的な信頼関係を経済協力につなげる
両国は2025年に、外交関係樹立75周年など複数の歴史的節目を迎えた。
トー・ラム書記長は、ベトナムと旧ソ連、ロシアとの関係について、単なる外交関係を超えた歴史的な友好関係があると強調した。
旧ソ連からは軍事関係者だけでなく、専門家、大学教授、技術者、医師らがベトナムに派遣され、経済、科学、教育、文化など幅広い分野の国家建設を支援した。
また、多くのベトナム人が旧ソ連やロシアで教育を受け、現在のベトナムの発展を支える人材となっている。
こうした人的交流や歴史的な支援が、現在の両国間の政治的信頼につながっていると説明した。
「政治的信頼」を具体的なプロジェクトへ
トー・ラム書記長は、今後重要になるのは、両国間に存在する政治的信頼や友好関係を具体的な成果へ転換することだとの考えを示した。
経済、防衛・安全保障、科学技術、教育、文化などの分野で、両国の国民に直接利益をもたらすプログラムやプロジェクトを実施する必要があるとした。
特に若い世代の交流を重視しており、学生や若者の交流、教育協力、ベトナム語とロシア語の学習などを通じて、両国の友好関係を次世代へ引き継ぐ必要があると述べた。
ベトナムの外交政策は「対話と協力」を重視
インタビューでは、トー・ラム書記長が2026年のレフ・トルストイ国際平和賞を受賞したことについても質問があった。
トー・ラム書記長は、この賞について、ベトナムが重視してきた平和、人道、国際法の尊重、国家間の協力などの価値が評価されたものだとの認識を示した。
また、国際社会では対立より対話、分断より協力を重視すべきだと強調。国家間の相違は、平等と相互尊重、各国の正当な利益、国際法に基づいて平和的に解決することが重要だと述べた。
ロシアとの関係を新たな段階へ
ベトナムは今後も、独立・自主を基本とした外交政策を維持しながら、各国との関係を多様化する方針である。
その中でロシアは、長年の友好関係と政治的信頼を持つ重要なパートナーとして位置付けられている。
今後はエネルギーや教育など既存の協力関係を維持しつつ、鉄道、宇宙、科学技術、イノベーション、デジタル技術などへの協力拡大をどこまで具体的な事業につなげられるかが、両国関係の新たな焦点となりそうだ。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
ベトナム進出支援LAI VIEN




























