ベトナムのレ・ミン・フン首相は6月18日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談し、両国の包括的な戦略的パートナーシップの強化やエネルギー、貿易、交通分野での協力拡大について協議した。
両首脳は、ベトナム中部ニントゥアン省で計画される「ニントゥアン原子力発電所1号機」の早期事業化に向けて交渉を加速することで一致した。
プーチン大統領「ベトナムは最も重要なパートナーの一つ」
会談でプーチン大統領は、ベトナムをロシアにとって最も重要なパートナーの一つであり、ASEAN諸国との連携を進める上でも重要な友好国であると評価した。
また、両国間の政治的信頼関係が着実に強化されており、それが経済や安全保障など幅広い分野での協力拡大を支える基盤になっているとの認識を示した。
さらに、レ・ミン・フン首相率いる新政権がロシアとの包括的な戦略的パートナーシップをさらに発展させていくことへの期待を表明した。
ベトナム側「ロシアは最重要パートナーの一つ」
これに対しレ・ミン・フン首相は、ベトナム共産党と国家、政府はいずれもロシアを外交政策上の最重要パートナーの一つと位置付けていると強調した。
また、2025年5月にトー・ラム共産党書記長兼国家主席がロシアを訪問した際に合意した内容について、ベトナム政府が具体的な実施計画の策定を関係機関に指示しており、進捗状況を定期的に報告させていることを説明した。
そのうえで、両国間で締結済みの協力合意を着実に実行するため、プーチン大統領の継続的な支援を求めた。
防衛・安全保障協力を戦略的支柱に
両首脳は、あらゆるレベルでの定期的かつ実質的な対話を強化することで一致した。
また、防衛・安全保障分野を戦略的協力の柱と位置付け、サイバーセキュリティ分野での協力や両国軍人の交流促進を進める方針を確認した。
ニントゥアン原発1号機の早期着工を目指す
会談ではエネルギー分野が主要議題の一つとなった。
両首脳は、ベトナムとロシアの協力には大きな成長余地があるとの認識を共有し、ニントゥアン原発1号機建設プロジェクトの早期実施に向けて交渉を加速させることで一致した。
また、石油・ガス分野と原子力発電分野を今後のベトナム・ロシア協力の重要な柱と位置付け、計画に沿って着実に推進していくことを確認した。
貿易額150億USD目標、鉄道近代化でも協力
経済協力では、両国間の貿易額を早期に150億USDへ引き上げる目標を掲げた。
さらに、
- 鉱業
- 交通インフラ
- 造船
- 鉄道近代化
- 国際物流回廊の拡充
- 中国経由の国際鉄道輸送
などの分野で協力を拡大する方針を確認した。
レ・ミン・フン首相は、ベトナム産農産物のロシア市場へのアクセス拡大を求めたほか、水産加工品に対する一部制限の解除や、輸出認可企業の拡大を要請した。
また、ベトナムとユーラシア経済連合(EAEU)との自由貿易協定(FTA)の見直し協議を進め、繊維製品や履物に対するセーフガード措置の撤廃も提案した。
教育・観光・人的交流も拡大へ
プーチン大統領は、ベトナムを含む東南アジア地域でロシア語教育を拡大したい考えを示し、ロシア留学中のベトナム人学生への支援継続を約束した。
両国は今後、
- 観光協力の拡大
- 人的交流の促進
- ロシアでのベトナム文化センター開設
- ハノイでのロシア学校設立検討
- 2027年の「ロシア文化シーズン」開催
などを推進することで一致した。
APEC首脳会議への出席を招請
レ・ミン・フン首相はこの機会に、2027年にフーコック島で開催予定のAPEC首脳会議への出席をプーチン大統領に正式に招請した。
首相は、プーチン大統領の参加が地域および世界の平和、安定、協力の促進につながるとの期待を示した。




















