ベトナム国会は10月17日、第16期第2回会議を開会した。今回の会議では、法案・決議案47件を審議し、企業や国民の負担軽減、経済成長に向けた制度改革を進める方針である。政府は2027年の国内総生産(GDP)成長率10%以上を目標に掲げ、中小企業の支援や民間投資の促進、外国投資の誘致などに取り組む。
国会で法案・決議案47件を審議、制度改革を加速
チャン・タイン・マン国会議長は開会演説で、今回の会議が第16期国会の発足以降、最も大規模な立法日程となると説明した。
会議では、法案・決議案47件を審議する予定で、このうち43件は可決を目指し、残る4件については意見聴取を行う。
今回の会議は、第4回党中央委員会総会の成功を受け、前回の第1回臨時国会から約2カ月という短い間隔で開催された。マン議長は、党の方針や決定を迅速に制度化し、制度上の障害を取り除くことで、国の持続的な発展に必要な資源を活用できるようにする狙いがあると述べた。
一方、審議日程が過密であっても、法案の質を犠牲にしてはならないと強調した。慎重さを理由に必要な改革を遅らせることも避けるべきだとし、各政策について責任の所在、財源、実施条件、監督体制、実効性を明確にする必要があるとの考えを示した。
2026年1~9月のGDP成長率は9.01%、政府は経済の課題も指摘
レ・ミン・フン首相は、2026年1~9月の社会経済状況に関する報告で、四半期ごとに成長率が高まっていると説明した。
第3四半期のGDP成長率は前年同期比9.95%、1~9月累計では9.01%となり、地域および世界でも高い水準に位置しているという。
2026年通年の国家予算収入は約3,060兆VNDとなり、前年比14%増の見通しである。一方、税金や手数料については、免除、減額、納付期限の延長などを通じて約360兆VNDの支援を実施した。
政府は財政の健全性についても説明し、2026年末時点の公的債務残高はGDP比約33~34%、政府債務は約32~33%、対外債務は約28~29%となる見込みだとした。財政赤字はGDP比約4.1%と予測され、安全な範囲内に収まるとしている。
ただし、首相は課題も指摘した。大規模な投資資金の需要とインフレ圧力により、預金金利や貸出金利は依然として高い水準にある。また、社会全体からの資金調達が十分ではなく、中小企業は土地や融資へのアクセスに困難を抱えている。輸出入の構造も、持続可能性の面で改善の余地があるという。
2027年のGDP成長率10%以上を目標に
政府は2027年を、成長を加速させ、さらなる飛躍に向けた基盤を整える年と位置付けている。第14回党大会の決議を実現するため、経済成長を一段と加速させる方針だ。
2027年の主な経済目標は以下の通りである。
- GDP成長率:10%以上
- 消費者物価指数(CPI)上昇率:約4.5%
- 1人当たりGDP:6,100USD
- 社会全体の労働生産性の伸び率:平均8.6%
- 多次元貧困基準による貧困世帯比率:1~1.5ポイント低下
財政面では、国家予算収入を約9.1%増やす一方、経常支出の徹底的な節約を進める。資金調達手段も多様化し、各種債券の発行、政府開発援助(ODA)融資、信用資金や民間資金の活用、国有企業による投資拡大などを進める計画である。
また、ベトナムに進出する外国投資企業(FDI)に対しては、利益の国内再投資を促す。中長期の資本市場を育成し、国の信用格付けを引き上げることで、国際投資ファンドや安定的な海外投資資金の呼び込みも目指す。
中小企業の成長支援、技術移転を伴う外国投資を促進
フン首相は、民間企業の発展を経済成長の重要な柱と位置付け、特に中小企業への支援を強化する考えを示した。
政治局決議第68号に基づき、民間企業が事業を拡大しやすい環境を整えるほか、個人事業主や世帯経営から法人企業への転換を支援する。いわゆる「1人企業」も対象とし、国際競争力を備えた大規模な民間企業の育成も目指す。
外国投資については、政治局決議第10号に基づき、選別的な誘致を進める方針である。単に投資額を増やすのではなく、技術移転やベトナム企業との実質的な連携につながる投資を重視する。
金融分野では、銀行システムの近代化、不良債権の処理、経営基盤の弱い信用機関の再編を進める。金融機関間の株式持ち合いなど、経営の透明性を損なう問題への対策も強化する。
計量法改正で消費者保護を強化、不正があれば返金・補償も
10月17日午前、トー・ラム党書記長兼国家主席は、改正郵便法案と計量法の一部改正法案について意見を述べた。
トー・ラム書記長兼国家主席は、郵便と計量はいずれも急速に発展している分野であり、新たな時代の要請に応えるため、法律の改正が必要だと指摘した。同時に、改正内容は全体的な視点から慎重に検討する必要があると強調した。
計量法については、専門性の高い分野である一方、国民生活や国の発展能力に直接影響すると説明した。計量の誤りは経済的損失や企業の信用低下を招くだけでなく、刑事・民事上の重要な判断や人命にも関わる可能性がある。
改正にあたっては、経済の自立と技術力の向上を支える計量能力の強化を重視する。また、標準・計量システムやデジタルインフラへの予算投資について、優先順位や共用可能性、投資効果を明確にし、無駄を避けるよう求めた。
規制のあり方についても、事前審査に偏った方式から、リスクと責任に基づく事後検査へと重点を移す方針を示した。デジタル化とデータの再利用を促進し、企業の手続き負担やコストを減らす狙いである。
特に、電気・水道メーター、ガソリンスタンドの給油計量器、医療機器などで計量の誤りや不正が見つかった場合、行政処分だけで終わらせてはならないと指摘した。不正の発生期間や影響範囲、責任の所在を明確にし、国民への返金や補償につなげる必要があるとの考えを示した。
郵便サービスのコスト削減と利用者の権利保護も重視
改正郵便法について、トー・ラム書記長は法律の成否を、物流がより円滑になるか、企業のコストが下がるか、地域を問わず国民がより良いサービスを受けられるかという観点から判断すべきだと述べた。
利用者の権利が確実に保護され、サービス料金がより安くなることも重要だと強調した。
経済全体として、サービスの質を高めながらコストを引き下げる方向を目指すべきであり、特定の利益を理由にあらゆる分野で値上げが続く状況は望ましくないとの認識を示した。
今回の国会では、企業の競争力向上と国民の生活負担軽減を両立させるため、幅広い分野で制度改革が議論される。2027年のGDP成長率10%以上という目標に向け、法制度の整備を実際の投資拡大や企業活動の改善につなげられるかが焦点となる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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