ベトナムと欧州自由貿易連合(EFTA)は10月18日、ベトナム・EFTA自由貿易協定(VEFTA)に正式に署名した。協定は物品貿易やサービス、投資、知的財産、政府調達など幅広い分野を対象とする。ベトナムにとっては輸出入市場の多角化に加え、欧州からの先端技術や質の高い投資の呼び込みにつながることが期待される。
ハノイで協定に署名、双方の経済協力を強化
署名式は10月18日、ハノイで開催され、トー・ラム書記長兼国家主席の立ち会いのもと、ベトナムのレ・マイン・フン商工相とEFTA加盟国の代表者が協定に署名した。
EFTA側からは、スイスのギー・パルムラン大統領兼経済相、リヒテンシュタインのブリギッテ・ハース首相兼財務相、アイスランドのソルゲルドゥル・カトリン・グンナルスドッティル外相、ノルウェー外務省のアストリッド・ベルグモール国務長官が出席した。
今回の署名は、ベトナムとEFTA加盟国との関係における重要な節目となる。双方は経済協力を深め、自由貿易を促進するとともに、世界経済の不確実性が続くなか、ルールに基づく国際貿易体制を強化する方針である。
物品貿易から投資、政府調達まで幅広く対象に
VEFTAは、複数の重要分野を包括する自由貿易協定である。物品貿易では関税に加え、貿易上の技術的障壁、動植物検疫、税関手続き、貿易救済措置などを扱う。
さらに、サービス貿易、投資、知的財産権、政府調達、競争政策、中小企業、紛争解決、貿易と持続可能な開発も対象に含まれる。
協定の幅広い適用範囲を通じ、ベトナム企業には輸出市場の多角化や国際競争力の向上、グローバル・バリューチェーンへの参画拡大といった効果が期待される。また、欧州の先進的な経済圏から、質の高い投資、先端技術、経営ノウハウを取り込む機会にもなる。
双方向貿易は年間約20億USD
ベトナムとEFTA加盟国の貿易・投資関係は、近年も拡大傾向にある。両者の二国間貿易額は、年間平均で約20億USDに達している。
両者の貿易品目は相互補完性が高い。ベトナムからEFTA市場への主な輸出品は、水産物、履物、繊維・衣料品、機械設備、電子機器および部品などである。一方、EFTA加盟国からは、機械、産業設備、化学品、医薬品、生産用原材料などを輸入している。
こうした品目構成を背景に、協定による貿易条件の改善が実現すれば、双方の企業に新たな取引機会が生まれる可能性がある。
スイス、ノルウェー企業の対ベトナム投資も拡大
投資面でも、EFTA加盟国とベトナムとの連携は広がっている。
2025年末時点で、スイスの対ベトナム投資は234件、登録投資総額は24億USD超に達した。ノルウェーは62件、登録投資総額は2億100万USD超である。
EFTA加盟国の大手企業や投資家は、工業、食品、医薬品、エネルギー、技術などの分野でベトナムに進出し、事業を展開している。さらに、イノベーション、ハイテク、物流、精密機械などの分野でも、大型案件を含む新たな協力・投資計画が検討されているという。
協定の実効性は企業の活用が鍵に
VEFTAは、ベトナムの経済成長やイノベーション、持続可能な発展を後押しし、ベトナムとEFTA加盟国双方の企業や市民に具体的な利益をもたらすことが期待されている。
ただし、協定への署名が直ちに関税削減などの措置の適用開始を意味するわけではない。実際の利用にあたっては、発効時期や品目ごとの関税条件、原産地規則、各種手続きなどを確認する必要がある。
ベトナムで事業を展開する企業にとっても、VEFTAは欧州市場への輸出や欧州企業との取引、投資・技術連携を見直す契機となり得る。協定の具体的な条件と発効後の運用を把握し、自社の調達・販売戦略にどう活用するかが重要となる。
※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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