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ベトナム・ロンタイン国際空港、2026年開業に暗雲 4つの主要工事で遅延リスク

建設工事が進むベトナム南部のロンタイン国際空港
(C)THANH NIEN

ベトナム南部で建設が進むロンタイン国際空港の第1期工事で、2026年中の運用開始に向けた遅延リスクが高まっている。プロジェクト全体の工事出来高は約86%に達し、12月の運用開始に向けて準備が進む施設もある一方、旅客ターミナルや空港内道路、貨物ターミナル、駐車場など4つの主要工事で進捗の遅れが目立つ。熟練労働者の不足、資材調達の難航に加え、未払い工事代金の積み上がりも工事を停滞させる要因となっている。

全体の工事出来高は86%、主要施設の一部は12月運用を目指す

建設省はこのほど、ファム・ザー・トゥック副首相らに対し、ロンタイン国際空港第1期建設プロジェクトの進捗状況を報告した。

報告によると、国の管理機関が使用する税関、検疫、空港当局、警察など6施設を含むプロジェクトコンポーネント1では、運用に必要な技術インフラとの接続準備がほぼ整っている。

ベトナム航空管制総公社(VATM)が投資主体となるプロジェクトコンポーネント2では、建物の建設と電気機械設備、航空管制設備の設置が完了した。現在は技術ケーブルの敷設やインフラの接続を進めている。

また、プロジェクトコンポーネント4に含まれる機内食、航空機整備、地上支援などの第1期運用に必要なサービス施設では、工事の進捗率が70~95%に達している。

一方、空港の主要施設を整備するプロジェクトコンポーネント3は、ベトナム空港総公社(ACV)が投資主体を務める。工事出来高は約7兆4,284億VNDで、計画上の総額8兆6,349億VNDに対して86.03%となった。

施工中の12工事のうち、8工事は12月の完成を見込んでいる。完成予定の工事には第1・第2滑走路、旅客ターミナルの駐機場、航空燃料供給システム、排水処理施設などが含まれる。

しかし、建設省はプロジェクトコンポーネント3のうち4つの主要工事について、12月までの完成が極めて難しいと警告している。

旅客ターミナル、設備設置と運用試験に課題

最大の懸念の一つが、旅客ターミナルを建設する工事パッケージ5.10である。空港全体の中核施設であり、契約金額に対する進捗率は83.05%に達したものの、残る建築仕上げや設備設置の作業量が大きい。

手荷物検査システム(HBS)は53台中38台、機内持ち込み手荷物の検査システム(SSE)は256セット中214セットの設置が完了した。航空機の自動誘導・駐機位置表示システム(VDGS)は130セット中73セット、航空機向け地上電源装置(GPU)は68セット中36セットにとどまっている。

さらに、旅客ターミナルの統合運用試験に関する51のシナリオのうち、16件がまだ承認されていない。電気機械設備、防火・消火設備、空調設備などの重要システムも、試運転を実施できる段階に至っていない。

建設省は、施工を担うVIETUR企業連合で熟練労働者が大幅に不足していることを主な原因に挙げる。特に高度な溶接技術を持つ作業員が足りず、トンネル区域では溶接工17人と溶接ロボット5台、エネルギーセンターでは640カ所を超える特殊溶接を担当する作業員が4人しか配置されていない。

また、元請けのトルコ系建設会社IC Ictasでは、外国人の技術管理担当者が相次いで現場を離れた。防火・消火設備の設計専門家も十分に確保できておらず、設計上の技術的な不整合を解決するためのコンサルタントVNCC-PMIの現場要員配置にも遅れが出ている。

空港内道路は人手不足、アスファルト調達も難航

工事パッケージ4.8の空港内道路・技術インフラ整備も、遅延リスクが高い。工事出来高は80.60%で、前回報告からの伸びは5.31ポイントにとどまった。

11月の完成計画に対して、未完了の作業量は大きい。残る工事には、延長43kmの第3級道路と、延長8kmの幹線道路が含まれる。

現場では労働力の不足が深刻化している。施工業者が確保できた作業員は1,440人で、当初約束した2,515人を大きく下回る。さらに、市場でアスファルト混合物の供給が不足しており、残る約10万トンを確保することも難しい状況だ。

電力供給面でも課題が残る。プロジェクトコンポーネント1とコンポーネント4を接続する22kV電力ケーブルの敷設は、完了時期を見通せていない。旅客ターミナルの稼働に不可欠なエネルギーセンターのチラー設備や非常用発電機も、設置と試運転が終わっていない。

貨物ターミナルと駐車場は進捗5割未満

補助施設のうち、貨物ターミナル第1棟を建設する工事パッケージ7.8は、進捗率が47.04%にとどまる。前回報告からの上昇幅は3.3ポイントである。

熟練作業員の不足に加え、海外から輸入する設備の供給日程に工事が左右されている。中核設備となる自動倉庫システム(ASRS)は、現場への搬入が早くても2027年2月になる見通しだ。契約上の完成期限である2026年10月を大幅に超えることになる。

駐車場を建設する工事パッケージ11.5は、契約金額に対する進捗率が42.93%と、プロジェクト全体で最も低い。前回報告からの上昇幅も1.63ポイントにすぎない。

施工を担うCoteccons、CC1、Feconの企業連合が長期間にわたって十分な作業員を確保できず、多くの仕上げ工事が工場での加工段階にとどまっているという。

未払い工事代金1兆VND超、資金繰りも工事停滞の一因に

建設省は、工事の遅れについて、施工業者が契約で約束した作業員や技術者を確保できていないことに加え、工事書類の作成・提出、検収、支払い手続きにも大きな問題があると指摘した。

報告時点で、プロジェクトコンポーネント3では施工済みでありながら支払いが完了していない工事代金が1兆430億VNDを超えている。支払いの遅れが資金繰りを圧迫し、施工業者が必要な人員や資材を確保できず、工事が停滞する一因となっている。

建設省は政府に対し、ドンナイ省人民委員会に石材やアスファルトなどの建設資材供給を優先するよう指示することを提案した。また、ACVに対しては支払い上の問題を速やかに解消し、人員確保などの契約条件を満たせない施工業者については、厳正な対応や工事量の再配分を進めるよう求めている。

加えて、安全な運用開始に必要なORAT(運用準備・空港移行)試験のシナリオを早急に整備し、試験を加速させることも課題となっている。

政府は24時間体制の工事を要求、2026年中の運用開始は必達目標

ファム・ザー・トゥック副首相は、現場視察後の結論通知で、国会が承認した投資方針に基づき、ロンタイン国際空港第1期を2026年中に完成させ、運用を開始する必要があると強調した。

残る工事量が大きい一方、使える時間は限られているとして、関係省庁、地方当局、投資主体、施工業者などに対し、工事を最終段階の集中施工体制へ移行するよう求めた。

特に、工事全体の完成時期を左右する重要工程や、未完了の作業量が多い工事では、24時間体制で施工を進めるよう指示した。作業工程や工事パッケージごとの進捗を日単位で厳格に管理し、作業員、機械、設備、資材、資金を最大限投入することも求めている。

必要に応じて3交代制・4班制を導入し、施工箇所を増やして工事と資金執行を加速させる方針だ。人員、設備、資金、工期に関する要求を満たさない施工業者については、厳正に対処し、必要であれば法令に基づいて契約違反の責任を問うとしている。

ロンタイン国際空港は、ベトナム南部の航空輸送能力を拡大する大型インフラ事業である。全体の工事出来高が約86%に達していても、旅客ターミナルの設備試験や空港内道路、貨物施設などが完成しなければ、空港全体の運用開始には影響が及ぶ。2026年中の開業目標を実現できるかどうかは、残る工事の加速だけでなく、労働力・資材の確保と工事代金の支払い問題をどこまで解消できるかにかかっている。

※本記事は、各ニュースソースを参考に独自に編集・作成しています。
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