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ベトナム、航空ハブ構想を加速 ロンタイン国際空港で物流・乗り継ぎ拠点を目指す

ベトナム南部のタンソンニャット国際空港
(C)THANH NIEN

ベトナムが、航空ネットワークの拡大と空港の供給能力強化を通じ、アジアの航空・物流ハブを目指している。国際空港評議会(ACI)の地域別指標では、ホーチミン市のタンソンニャット国際空港、ハノイのノイバイ国際空港、中部のダナン国際空港で航空接続性の改善が進んでいる。さらに、南部で建設が進むロンタイン国際空港は、旅客の乗り継ぎや航空貨物、航空機整備などの分野で新たな拠点となることが期待されている。

タンソンニャット、ノイバイ、ダナンで国際接続性が改善

アジア太平洋・中東地域の国際空港評議会(ACI APAC & MID)が公表した航空接続性指数(Air Connectivity Index)によると、アジア太平洋地域の航空接続性は全体で10%上昇した。

同指数の対象となった315空港のデータでは、ベトナムの主要空港も改善が目立った。ベトナム空港総公社(ACV)が運営するタンソンニャット国際空港、ノイバイ国際空港、ダナン国際空港の3空港が、それぞれの規模区分で接続性の改善が大きい空港のグループに入った。

年間旅客数が2,500万~4,000万人の大規模空港区分では、タンソンニャット国際空港とノイバイ国際空港が接続性の伸びで上位グループに入った。両空港では国際直行便のネットワーク拡大や、世界各地の航空会社による運航頻度の増加が進んでいる。

一方、年間旅客数500万~1,500万人の中規模空港区分では、ダナン国際空港が接続性の改善で上位グループに入り、中部ベトナムの主要な航空ゲートウェイとしての存在感を高めている。

タンソンニャットは東南アジア6位、ノイバイは7位

航空接続性に加え、実際に提供される座席供給量もベトナムの航空輸送能力を示す指標となっている。

航空データ会社OAGの定期便出発座席数データを基にしたSeasia Statsのランキングでは、東南アジアの大規模空港トップ10にベトナムの2空港が入った。

タンソンニャット国際空港は約219万席で域内6位、ノイバイ国際空港は約183万席で7位となった。さらにOAGのデータでは、ノイバイ国際空港は域内の大規模空港のなかで年間座席供給量の伸びが最も高く、9.3%増を記録したという。

シンガポールのチャンギ空港、インドネシアのスカルノ・ハッタ空港、タイのスワンナプーム空港などが競合するなか、ベトナムの主要空港も座席供給能力を拡大している。ただし、座席数や接続性の改善は、乗り継ぎ旅客や貨物を集める国際ハブとしての競争力を示す指標の一部であり、実際の乗り継ぎ需要や貨物取扱量も重要となる。

ロンタイン国際空港が航空ネットワーク拡大の鍵に

既存空港の接続性改善が現在の輸送能力を示す一方、ベトナムの航空戦略において将来の重要拠点と位置付けられているのが、ドンナイ省で建設が進むロンタイン国際空港である。

大規模な建設工事が進む同空港には、海外の航空会社や物流企業、航空貨物関連企業なども関心を寄せている。原文によると、米国、欧州、日本、韓国などの航空・物流大手が現地を視察し、貨物の乗り継ぎ拠点や、地域規模の航空機整備拠点などに関する協業機会を探っている。

西オーストラリア州のロジャー・クック州首相兼産業・防衛産業・観光・貿易・投資担当大臣も現地を視察し、空港の規模と建設の進捗を評価した。同氏は、ロンタイン国際空港がオーストラリアとベトナム、さらに東南アジア全体を結ぶ貿易・観光の戦略的な接点となる可能性に言及した。

ベトナム航空の幹部も、ロンタイン国際空港は単なる交通インフラではなく、ベトナム航空産業の地域・国際市場における位置付けを変えるための戦略的な基盤になるとの見方を示している。

シンガポールやタイとの競争、航空貨物にも期待

経済専門家のフイン・タイン・ディエン氏は、ベトナムが東南アジアの中心に位置し、アジアの主要経済圏の多くに3~4時間の飛行時間でアクセスできる地理的優位性を持つと分析する。

同氏によると、ロンタイン国際空港が当初から一体的に計画された大規模ハブとして機能すれば、ベトナムはシンガポールやタイなどの主要拠点と、乗り継ぎ旅客や貨物の獲得を巡って競争できる可能性がある。

また、ロンタイン国際空港はタンソンニャット国際空港の混雑緩和に加え、カイメップ・チーバイ深水港群との連携も期待されている。航空と海運を組み合わせることで、高付加価値製品、電子部品、越境電子商取引の商品などを効率的に輸送する複合物流ネットワークの形成につながるという。

ベトナムが国際物流のバリューチェーンで役割を高めるには、空港の規模だけでなく、航空会社の路線網、貨物取扱能力、通関手続き、港湾や道路との接続、物流コストなどを総合的に整える必要がある。

既存空港の接続性改善とロンタイン国際空港の整備は、ベトナムが航空輸送の地域拠点を目指すうえで重要な動きである。今後は、建設の進捗に加え、実際にどれだけの航空会社や貨物事業者を誘致し、乗り継ぎ需要を獲得できるかが、国際ハブとしての競争力を左右することになる。

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