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ベトナムエラー通信簿Vol.02
行きはよいよい帰りは怖い?
撤退のための合併に高額罰金

アイクラフトJPNベトナム 西田社長

「行きはよいよい帰りは怖い。怖いながらもとおりゃんせ、とおりゃんせ」と唄われる童謡があります。その歌詞の意味には諸説ありますが、子どもが7歳までは神様が守ってくれたがこれからは自力で生きる、それを「怖い」と伝えているようです。

 2007年にベトナムに進出した弊社と同じ時期に、IT企業のW社も進出しました。その後、リーマンショックの影響もあり、委託業務が急減したW社は撤退を決めました。その当時の弊社の親会社の社長はW社社長と友人であり、「困ったときはお互い様」と、W社の買手となる日系企業を探しました。

 しかし、一向に相手は見つからず……何と弊社との合併が決まったのです。合併の申請を出したところ、税務当局から、消滅するW社の債務や納税の調査を求められました。しかし、休眠状態が続いていたW社には、債務や税支払いを証明できる帳票はほとんどありません。

 その結果として税務当局から、M&Aを仕掛けた(形の)弊社に対して、支払いが困難な額の罰金が課されたのです! 私は途方に暮れてベトナム人の有力者に相談。その方のおかげで、金額は何かと当初の半額以下になりました。本当に大丈夫だろううかと落ち着かない日々が続きましたが、無事に収まりました。

 ベトナムでの会社設立は難しくありません。しかし、撤退には大きなリスクが伴うと知りました。ベトナムへの行き(進出)は良いですが、帰り(撤退)は怖いと思い知らされた失敗事例です。皆様もどうぞお気をつけて。

西田俊哉 Toshiya Nishida
アイクラフトJPNベトナム社長。生命保険会社に23年勤務の後、2005年に仲間とベンチャーキャピタル・IPO支援事業の会社を創業し、2007年に初来越。現在は会社設立、市場調査、不動産仲介、会計・税務支援などを展開。